エフェクター

Donner Island(Delay)

2022年 05月 13日 22:33 | カテゴリー: エフェクター
2022年 05月 13日 22:33
エフェクター

ディレイです。昨今あちこちの記事でディレイに関しては言ってますが、

  1. トレイルモードがあること
  2. エフェクト音のトーンが調整できるデジタルディレイ

が欲しいのです。

まあ、定番のBossではDD-6以降、TC Electronicの Flashback Delayなんですが、流石に食傷気味であり、トーンがついてないので没です。機能的にもごちゃごちゃとあり、結局使えるのは1種類しかないくせに、それでいて高性能だから値段が高いときているわけです。そんなディレイはいらんのです。

JHSのLacky Cat Delayがまあまあなんだけど、肝心のトレイルがない。Wampler PedalのEtherealが条件に合うものの、まだ試奏できてないし高い。そもそも置いてあるところが限られている。

どうしてシンプルなディレイはないのだろうか?といつも思ってしまうのですが、探してみると意外とブティック系でトレイル付きってのがないんですね。どうもブティック系はアナログ系やテープディレイ系が多く、例えそれが回路的にデジタルでもシミュレートものとして制作されているのがほとんどです。

で、例によって中華製を物色しました。FRAMMAとかデザインがカッコよくって惹かれたんですが、結局MooreのOEMであることに気がついてやめました。YouTubeで見ましたけど、ゲテモノすぎてだめでした。追加効果が邪魔すぎてスタンダードな機能の解説している動画なんてありません。

Island.jpg

でもいくら探してもやっぱり打倒Bossなんでしょうか?モードが8つとかついているのがザラです。結局一つしか使えないんだからもっとシンプルで良いのに、と思いながら、見つけたのがこれ。DonnerのIslandです。

価格もこなれており、それなりにモードはあるものの、どのモードにも効くトーン調整(OrientedというスイッチでModernとRetroの2種類の選択ですが)がついています。ちゃんとトレイルも切り替え可能で、まあまあかな?ということでポチってみました。

 

まずは基本的性能から

まず公開されている情報で一番気になったのが、入力インピーダンスが1MΩ、出力インピーダンスが100Ωというところ。これ、Bufferの記事でVertex社の推奨値として挙げられている数字です。つまり最後段に置いたらアウトバッファがわりになるということ。もちろんトレイルをオンにしておかないとだめですよ。トレイルオフならTrue Bypassになるので、このディレイの手前のエフェクターに左右されます。レベルが下がったり、音質変化を感じたら、トレイルオンにしてお使いください。ここはかなり好印象です。

コントロールは(Delay)Time、Feedback、Levelと普通なディレイです。これに11モードの切り替え(Digital、Analog、Tape、Lo-Fi、Mod、P  Pong、RVS(Reverse)、Delux、Shim、Trem、Loop)と、Oriented SW(ModernとRetro)です。

昨今のディレイでは至って普通のモードを搭載しているようで、強いてあげればAnalogとTapeはさほどトーン差がないものの、Tape側にちゃんとワウフラッターの揺れ(というよりはゆったりとしたフィルターのような感じ)はあります。Lo-Fiはビットクラッシャーで、P Pongはステレオ時のみ、RVS(リバース)はディレイのみリバース、DeluxというのがModより軽いコーラス気味の臨場感を出して、Modは揺れまくりの強烈なやつ、Trem(トレモロ)はディレイにだけかかり、Shim(シマー)は流行りのオクターブ上でディレイが帰ってくるやつです。

Oriented SWは可変抵抗なら良かったのにと思いながらも、2種類で結構トーンが変わります。例えばDigitalの時にはModernならそのままデジタル音で、RetroにするとAnalogまでいかないものの、結構こもりがちな音です。だからAnalogが意外とこもって聞こえますが、ディレイタイムが長めなのでしょうがないのかな?という感じです。TapeでRetroにするとメンテしていない帯磁しまくったボロいテープディレイのように聞こえます。

意外と使えそうなのがDeluxです。これ、Modernにすると結構綺麗で好感が持てます。まあ別にコーラスがあれば必要ないのですが、ステレオなら気持ちいいかな?って感じです。その他のモードは使い所を選べば良いでしょう。

Loopに関しては、ディレイのルーパー使うくらいなら専用機買った方がいいです。中華製だって安いものから出てますし、秒数も10秒だったかそこらで何をしようというのかわかりません。まあ期待しないほうが良いでしょう。自分は全く使いませんので試してもいません。

普通にディレイとしてはまあまあなところ。正直ちょっと音が細いかな?と思わなくもありませんが、Modernが(多分)完全な16ビットではないところで、バキバキしていないのがいいです。くっきりしていますが棘がないというか、気持ち絞りたいくらいですが、許容範囲です。

 

唯一の懸念

ディレイとしてはまあまあ良い方です。が、やはり見つけてしまうものですね。これ、普通にヘッドホンくらいで音出しているくらいじゃ気が付かなかったかもしれません。いや、自分はヘッドホンですが、少々でかい音で聞いております。

問題はLevelです。これはディレイレベルをコントロールします。原音とエフェクト音のバランス型ではないです。ですから原音に対して普通にレベルが調整できます。問題はその調整幅です。どうも12時あたりで原音と同一の音量になるようです。

つまりディレイは原音よりも小さいのが普通ですから、調整幅が狭いんです。最近よく使うセッティングでロングテールディレイ(ロングディレイではなくてタイムは8部音符くらいでFeedbackを多めにする)があります。松原正樹さんがよくライブで使っていたディレイ効果です。

これを綺麗に聴かせようとするとディレイレベルの調整に絶妙なところが必要になります。かといって、帰りの1発目がでかいと自然に聴こえずそれも嫌ですし、小さいとテール部分が途中で切れたようになり、トレイルの意味を成しません。現在8時半〜9時いかないくらいの位置がちょうど良いのですが、ノブのトルクも軽いためかすぐに動いてしまいます。

ヘッドホンでのでかい音とはいえ、これで気付くならスタジオなど入った時やライブじゃ使えないかな?と思ったりします。もちろん個人的な感覚ですから、そこまで周りは分からないかもしれません。ちょっと惜しいかな。

 

でも一応のおすすめ!

先に書いたように、トレイルモードにしてアウトバッファがわりはありだなと思います。この設定値はStrymonとかの高級機と同じです。中華製なのにやるな、と言った印象。ディレイだから最後段に置けるのが普通なので、自然とアウトバッファにもなるという、なんと都合の良いことでしょう。

まあ前述のロングテールディレイでのディレイレベルの決めにくさはあるものの、普通にロングディレイ(タイムが長くて6発返しくらい)なら、収まりやすいし、メインとしても使えます。

あとは特殊効果を活かして、2台目のディレイとかなら全く問題ないでしょう。DeluxとかTremとか場面に応じて効果的に使えることがいいです。

自分では Digitalで使いますが、普通にアナログでも雰囲気あるし、基本的なところはしっかりしているので、Boss DD-8とかだったらこちらを薦めます。価格は1/3で手頃で使いやすいです。ディレイの勉強には都合いいので初心者から中級者でも使えます。