エフェクター

Mosky Silver Horse

2020年 04月 14日 14:37 | カテゴリー: エフェクター
2020年 04月 14日 14:37
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昨今、かなり市民権を得た中華系エフェクター。中でもミニペダルという分野を拡大したのも中華系であります。そして、クローンという分野を拡大したのも中華系といっても過言ではないでしょう。

クローン自体はビンテージや人気モデルを中心にメジャーなメーカーすらやってきているので、さほど珍しくもないのですが、ミニサイズに落とし込んだのは様々な機械生産を安い人件費で請け負って技術力を上げてきた中国ならではで、そのコピー度合いもえげつないほど似てきています。コストが安くでき、なおかつ質も向上してきた中華系エフェクターは今やなかなか侮れないものがあります。

そんな中、日本の代理店すら決まってないようなメーカーでもAmazonなどの流通から手に入れることができます。

ネット上で結構話題になったのが、Mosky Golden Horseというオーバードライブがあります。これは見た目がゴールドで半身半馬のイラストが描かれています。もうお分かりかと思います。Klon Centaurのクローンです。

まあ、安い中華系であるので、本家と比べるのもどうかと思いますが、レビューを見てもすこぶる評価が高いのです。前から気にはしてたのですが、今回歪み系のブースターが欲しくて改めて情報を探していた時に同社のSilver Horseを見つけました。ご推察通り、見た目がシルバーで同じ半身半馬のイラストが書いてあります。

で、早速You Tubeで探してみるとゴールドのほうは結構出てくるのですが、シルバーのほうは2本くらいしかありません。この2つの違いはSilver Horseの方にVoiceというスイッチがあり、Normal/Softと書いてあります。HP見ても「切り替えできます」としか書いてなくて、効果はなにやらわかりません。動画でも効果の差があまり見られず、ググってみると、「シリコンとゲルマの切り替え」というのを見ましたが、どうも違う様子です。

まあ、値段が安いこともあるので人柱的にSilver Horseを選択してポチりました。

 

とりあえず本家について軽く...

本家のKlon Centaur(日本ではケンタウロスと読む人が多いのですが、外人はセンターと発音しています)は90年半ばに発売されて以来、「通すだけで音が太くなる」と評判になったオーバードライブです。

見た目もゴールドの絵なし、ロングテールの半身半馬、ショートテールの半身半馬、さらにシルバーのそれぞれが存在します。まあ、生産時期に応じてそれぞれ音が違うなどと言いますが、設計者であるBill Finnegan氏本人は雑誌のインタビューでも語っている通り、1995年に一度設計変更したものの、音が変わるようなことはないと言っています(電源部の改良だそうです)。

歪み方は割と軽い方で、トランスペアレントまで行かないものの、ゲインをフルアップしたらしっかりと歪みます。トゥルーバイパスではなく、常にバッファを通します。このバッファが良くできていて、「音が太い」と言われる所以です。

日本に入ったころはたしか5~6万でしたが、その高価ゆえ、そんなに売れた訳ではありません。やはりこれも一部の有名ギタリスト達が使い始めて、人気が上がって来た時にはすでに生産完了しており(総生産台数は約8000台だそうです)、中古市場で値が釣り上がり、現在は20~30万くらいで取引されています。

そんな爆発的人気の中、各社躍起になってクローンの開発に時間を費やし、「ケンタ系」というジャンルすら作り上げました。

 

Silver Horseの特長

SilverHorse.jpg最初に言っておきたいのは、この本体はTrue Bypassです。本家はバッファードですので「通しただけで音が変わる(太くなる)」というのは本家の特権と言いましょうか、このSilver Horseではそれはありません。

本家が専用のパーツを開発し、質の高いバッファを搭載したことが大きな特徴の1つとなっており、唯一無二のサウンドを奏でるのです。ですから、回路や定数が同じでも汎用のパーツを使った中華製では似ても似つかないでしょう。

ではオンにしてどんなものかと言いますと、さすがに雰囲気はよく出ています(本家と似ていると言うことではありません)。一般的なオーバードライブで、広さを十分に持ったミッドレンジがギターの音をグッと持ち上げる感じは流石に良くできています。とても数千円とは思えない完成度です。同じクローンと呼ばれるSoulfoodやArcherを試奏した時にはこんな感覚はあまり感じなかったのですが、その値段とのギャップなのか予想の遥か斜め上で、想定外ないっぱしの音が出てきます。まあ本家とのレンジ感の違いは明らかで...というか、これ、やっぱ比べるものではないです。

Golden Horseとの違いであるVoice SWはNormal/Softの切り替えで、Normal時はほぼGolden Horseと同じ(動画で見た限りですが)、Soft時はアンプなどのプッシュに使える、いわゆる「コンプカットモード(クリッピング回路をバイパスする回路)」です。ほぼ歪まないで音量がガンと上がるので、ブースターとして使うならこちら側です。「ほぼ」というのがミソで、例えば、少し倍音を足すのに軽く歪ませたいならゲインが3時くらいから歪み始めるので、上手く調整すれば良いです。Golden HorseのレビューにあったようにたとえNormalでもブースターとしては使えます。

単品では、まあ軽めのオーバードライブで、TSなんかとは違い、レンジ感が骨太で少々重みを持った感じです。

で、今回僕はこれをブースターとして使います。

 

ブースターとしての所感

まずはVoice SWをSoft(コンプカットモード)にしてオンにすると、フルレンジではなくミッドレンジブースター的にボリュームが上がります。でも前述のようにギターの音域に伴った広めのレンジが上がるので、EP Boosterのようなミッドの塊のようではありません。全体が底上げされる感じです。かといって、低域はフルレンジブースターのようなブーミーさはなく、高域も耳に痛いわけではなく、ギターの全域を元気にするような感じです。

このまま後段の歪み(Boss SD-2)をオンにすると...あ~いいですね。ちょっと気になっていたLEDクリッピングの荒さにちょっとクリーミーになる要素が入るとともに、伸びる音が徐々に減衰し出すと倍音が残る感じがとても色っぽくてすごく良いです。SD-2の多段オペアンプによる増幅でも足りない量を補ってくれる感じです。

トーンも、パッシブで上がりきらない高域を見事に補ってくれます。これでより抜けのあるトーンが出せます。このトーンを効かせた、いわゆるトーンブースター的にこれを使っています。

このコンビネーションはチューブっぽくて、コンボアンプやスモールヘッドのゲインを上げ気味にしたような、それでいてノイズっぽくもなく、自分的にかなり理想的な音が出ました。

最初に書いたとおり、GoldとSilverでNormalモードなら差がないものと思われます。ブースターとしてとは言いながら、このNormalモードでブースターにしています。これはゲインを絞っているのでどちらのモードでもそんなに違和感なくブースターになったので、どちらでも良かったからです。踏んでも踏まなくてもあまり音量に差を出したくない(メインのディストーションまたはオーバードライブを踏み損ねてブースター単体になったときに音量が破綻しない措置)ので、ブースターと言えども出力(Output)でブーストせずに歪みゲインでやや音量を補った方が、音量も音質にも差が出にくいセッティングにしてあります。

 

オーバードライブとしての所感

ゲインが低い場合、NormalだろうがSoft(コンプカット)だろうが、そんなに動作は変わりません。オーバードライブとして使う場合にはNormalでゲインを12時よりも上げるようにすると良いです。

歪み自体はそんなに深いものではありません。まあ、一般的な普通のオーバードライブです。本家のように図太い音が出るわけでもなく、どちらかというとBoss SD-1のようなマイルドさではなく、TS系のチリチリしたタイプでもなく。ですが、出音自体はレンジが広いためTS系のように中域を強く感じることはないです。そうですね、One ControlのStrawberry Red Overdriveに近い感じがあります。オーバードライブなのに中域に寄っていないレンジの広さを感じます。それでもフラットな感じというよりは少しだけローミッドが「厚い」ところ、重さを感じる部分がダークな感じも良い感じです。

トーン調整のTrebleは基本的にハイカットのトーンですが、上げればTreble(高域)は意外と出ます。