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Providence Sonic Drive SDR-4R

2019年 04月 13日 18:30 | カテゴリー: エフェクター
2019年 04月 13日 18:30
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オーバードライブでは未だにBoss SD-2を超えるものがないのですが、なんとなくもう少し歪みが軽いものが欲しくなりました。

条件はこれまた厳しく、中域が太いながらもワイドレンジ感があり、いつも通り倍音がフワッと上がってきて、サステインがあるもの、なおかつピッキングニュアンスがつくもの、なんてそう滅多にありません。

そして比較はもちろんお気に入りのSD-2なのですが、今なら色々と良いのがあるのですぐに見つかるだろうとタカをくくっておりました。今回は色々試しました。Shur Shiba Drive Reloaded、Xotic Soul Driven、Leqtique MAT、同 Redemptionist、同 Roch、Fulltone Fulldrive 2、BearFoot Honey Bee OD、Hermedia Audio Zen-Drive、Chocolate E. Velvet Drive、Providence SDR-4、同 SDR-5、同 ROD-1、そして同 SDR-4Rなどです。割と現役のものを2〜3回以上は試したことだと思います。

試奏といえ、アンプも色々ですね。JC-120、Twin Reverb、DSL2000、Hot Rod Deluxeなど、まあ割とスタンダードなものは押さえました。

で、基本はクリーンでサウンドチェックしますが、倍音がフワッと上がってくる(サステインとともに残ると言う方が良い?)ものという条件にするとほとんどがふるいにかけられます。歪みの音質では好きなものも多かったし、伸びの点でもどれもが及第点でした。

問題は倍音感です。もちろん歪みをあげればできてしまうのですが、今回はSD-2よりも軽い歪みということで、難航します。簡単にいうとその倍音が残るとアンプの音量が小さくてもすぐにフィードバックに持っていけるコントロール性が欲しいのです。SD-2と同様の条件では流石に厳しいのですが、これをクリアしたのが、Providence Sonic Drive SDR-4Rでした。

 

ことの発端

なんか流石にいつも同じ曲を弾いてると飽きてしまいまして、なんかないかと曲を物色していたところ、松原正樹氏の「Hayabusa」(Human Rhythm Vの7曲目だったか?)というインスト曲を発見。実はあまり聞いてなかったアルバムで気にもとめてなかった曲でした。

よく聞くと、テーマメロやサビと、アドリブソロ×2回が音が違いまして、多分ですが前者がアンプ+エフェクト、後者が真空管アンプ直の歪みだろうと思います。もしかしたら晩年でエフェクトを歪みの強いのと弱いのとを使い分けていたので、お気に入りの弱い歪みを重ねているかもしれません。

テーマメロやサビは音質が安定していること、アドリブソロの部分がピッキングニュアンスをつけていること、などで判断したわけですが、これを演るには普段クリーン+エフェクトの自分にはちょっと役不足で、テーマメロなどメインはSD-2で良いとしても、出なくはないのですが、ギターのボリュームを絞ってニュアンスをつけるには歪みが強いのでコントロールしにくいのです。できればもう少し落ち着いた歪みなら良いか、と思ったのがキッカケでした。

SD-2にディストーション(Radial London)を似せて切り替えてもやっぱり歪みは強いので、ニュアンスを出すまでに至らなかったのです。

で、松原正樹氏のProvidenceのスイッチャー、PEC-2の解説ムービーがあったのを思い出して見返していると別の短いながらもSonic Drive(前の3ですね)を使った氏のムービーを発見し、見るとまあ似ていること。もちろん使っていた時期があったのは知ってましたが、Sonic Drive自体既に型変わりしていたので、忘れてました。昔弾いてみたことがあるのですが、あまり印象に残ってもいなかったのです。

 

SDR-4、5、4Rの違い

で、何度も何台も試して決めたのがSDR-4Rです。中古で安い4と5、新品の4R、3台とも揃っているお店がなくて、何軒かハシゴして試しました。が、4と5で明らかに音が違い、4Rがまた違うので、メーカーに電話して聞いてみました。

「4Rが現行で、古いのは4で5と続きます。1番売れたのは4なんです。でも実は4を構成しているあるパーツが生産完了で手に入らなくなって5を作りました。5については4で言われていた高域のギラつく成分を緩和してすこし帯域を下にシフトしました。そのうち4の代替えできるパーツが入手できたので、4を作り直したのが4Rです。(音質を)正確にいうと4Rは4と5の中間くらいなんですけどね。」

とのこと。

確かに、4をJCで弾いたとき、なんか耳につくとこがあるというか、アタックがうるさいというか、なんかピンとこなくて、5を弾いてみると確かに下にシフトしているのがわかります。今度は上が伸びないんです。で、4Rを弾いてみるとしっくりきたので、これに決めました。

 

音質について

sdr4r.jpg

多分オーバードライブとしては至ってスタンダードな歪みだと思います。メーカーのHPによると本来バッキング用に歪みを抑えたとありますが、何の何の。充分にソロに使えます。もう1つ同社のRed Rock OD ROD-1とも迷いました。メーカー曰く音質的にはほぼ一緒で、Gain StageがあってSonic Driveより歪みは強いとのことでした。松原正樹氏も使っていたので迷ったのですが、もともとシングルPUのゲイン稼ぎに搭載したGain Stageが(当然なんですが)上げるとノイズが上がってくるので、それを避けました。ハムバッカーならほとんど差がなかったのでSonic Driveを選択しました。

また僕がおよそ基準としているオーバードライブにFulltone Fulldrive 2があります。ちゃんとミッドがあって、伸びる良いオーバードライブです。ただ、すこしゲインが足りません。ブーストモードを使ってもダメです。音質はすごく好きなんです。荒々しくないけど、クリーミィすぎない、中域がちゃんとあって太い、そんなオーバードライブです。

強いて挙げれば、このFulldrive 2の歪みを強くしてもっと伸びる、そして倍音感をチラつかせると言いましょうか、歪みが色っぽいわけです。その色っぽさは伸びたサステインが意外と減衰せずに残り、そこから原音が落ち始めると倍音が残る、ファズで求めたような音色です。それでいて弦の分離感が良く、ソロでのコントロールが容易にできるのです。

また、FATスイッチが結構絶妙で、4発キャビではオフ、コンボアンプやラインではオンにしています。低中域をわずかに上げるのですが、たぶん400Hzより下を持ち上げていると思います。Fender系のアンプならうるさくない程度に厚みを出すのです。

ちょうどSD-2をEQで補正しているところ(SD-2はお気に入りですが、抜けは良いのに少々細く、EQで補正しています)とほぼ同じようなところをスイッチ一発でカバーするんです。ですからSD-2より明らかに太いのです。しかも中域がしっかりあるにもかかわらず、ワイドレンジでもあるのでハリがあるんです。このワイドレンジ感ならバッキング用にと開発された意図もわかります。コンプ感も薄く(Driveを上げればコンプ感は多少は出てきます)各弦の分離感がハッキリしています。

数あるオーバードライブの中でもゲインは高くはありません(割と平均的?)。またトーンの効きも割と普通でアンプで作った最終音に対してつんざけるようなハイまで上がらずとも抜けは作れます。そしてロー方向でも極端にモコモコになることもなく、調整幅は非常に音楽的です。アクティブなEQではないと思いますが、アンプに合わせるように美味い幅を持っているのでセッティングに困ることもなく、どんなアンプにもマッチするバーサタイルなオーバードライブでしょう。