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ピックアップの改造その2 コイルバランサー

2013年 02月 18日 02:14 | カテゴリー: ピックアップ
2013年 02月 18日 02:14
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ハムバッカーはダブルコイルで、改造方法がけっこうあります。前回の「コイルタップ」に続いて、今回はコイルバランサーです。

 

コイルバランサーとは?

前回のコイルタップでは、ハムバッカーのダブルコイルのうち、どちらか片方を切る(または生かす)ことで、シングルの音を得るもので、基本的にはスイッチによる切り換えでした。単純にコイルの片方を5000ターンとして、ダブルで10000ターンになります。スイッチでは切り換えですので5000(シングル)または10000(ハム)ターンのどちらかです。

このスイッチを可変抵抗にしたらどうなるでしょう?5000~10000ターンで中間値が出せます。つまり、7000ターンとか、8125ターン(数字は適当です)とか、シングルでもハムでもない、パワーだけで言うならば、ターン数に比例するとして、シングルよりも出力が高く、ハムよりも少ないという状態が作れます。

これがコイルバランサーです。Fender系のシングルが、7000~8000ターンと言いましたが、このくらいのターン数も設定が可能です。しかし、この時には、ダブルコイル(片方の5000+もう片方の2000~3000)が効きますので、Fenderのようなシングル音が出るわけではありません。均等ではないにせよ、シングルよりもノイズも少なく、いってみればP-90のようなシングルでターン数の多いPUっぽい感じが出ます。でも、P-90ってほどでもないわけです。

昔あったレスポールデラックスのミニハムって感じでもなく(パワー的には似ていますが質感は違います)、何とも言い難い中間調の音です。全開にすると普通のハムバッカーですし、全閉ですとシングル、その中間が出せるってなかなか面白いわけです。

 

コイルバランサーに必要な条件

PUの方は、コイルタップと同じように最低限3芯シールドの必要があります。前回の通り、通常のリプレイスメントなら4芯ですから問題ありません。

後は可変抵抗です。ボリュームポッドですね。レスポールなら大体がボディに加工を嫌って、トーンをバランサーに変更することが多いです。そういえば、これやったの大昔なんですが、気にせずトーンのポッドを使ったので、Aカーブを使ったのではないだろうか?バランサーだからBカーブでも良いです。Aカーブの方が7~8割にすっと落ちるので、演奏中に操作するならAカーブの方がやりやすいかも知れません。でもBカーブの方がリニアであることは確かなので、好きな方を用意してください。

 

実態配線図(2018年11月3日リンクと説明を修正)

実態配線図は例によって、Seymour Duncanの本家HP、Supportメニュー→Wiring Diagramsの左にある「VIEW ALL」から、「PICKUP TYPES」にあるプルダウンメニューから「Humbuckers」を選び、開いたページの真ん中2行目「WIRING DIAGRAM OPTIONS - CLICK BELOW TO SEE ALL」の下にあるドロップダウンリストの中から、「2 HUM, 2 VOLUME, 2 SPIN-A-SPLIT, 3 WAY TOGGLE」を選択します。で、これは2ハムのギターで、両PUともやる場合ですね。片方だけなら、「1 HUM, 1 VOLUME, 1 SPIN-A-SPLIT」というのがありますので、ご参考のこと。

実は、これはトーンが効かない状態ですよね?そりゃそうです。トーンの代わりにバランサーにしたわけで、機能的にはトーンはバイパス状態です。

tone-balancer.jpg

で、もう一つ、トーンまで効かせたい方向けにこちら。これは僕が実際にやった実態配線図で、バランサーがAカーブでしたから、10~8くらいでシングル、8~0がハムバッキングです。さらに、0に近づくほどハイカットされるので、トーンも効きます。クリアなハムが欲しい場合には、7~5くらいです。

2ハムで、両方をコントロールする場合には、ご自身でやってみてください。ただし、事故や結線ミスなどは(改造ですから)すべて自己責任でお願いします。ちょっと考えればできます。

あと、PUの配線カラーですが、わからない方は「【情報更新】 ピックアップ交換の前に」に書いてあるとおりです。カラーコードはこれで確認してください。

 

実際の音

これは意外と面白かったです。しかし、やったPUが悪かったです。JB(SH-4)でやると、倍音の出方がずいぶん変わります。当時は面白かったんですけどね。今考えるとミッドの強いハイパワーPUより、どちらかというとクリアで素直なPU、たとえばすぐに浮かんだのがGibsonの57’Classicとか、DuncanのJazz(SH-2)、APH-1/2とか、パワーも欲しいならCustomあたりですと、使い勝手がよいはずです。シングルからハムへの切り替わりがスムーズになると思います。

推測ですが、たとえばテレキャスターのフロントにハムバッカーを付けて、バランサーだと面白いかも知れません。ザクザク切るタイプでも、フロントで太く甘めでガンガンと切る場合でもすぐに対応できるし、それこそP-90っぽく仕上げるとカッティングには、万能なギターになるはずです。

単純に考えて、アンプは深めのクランチ気味で、通常シングルでバッキングしながら、ソロでハムにするといい感じです。まあ、ボリュームほど変わりませんが、ギターのボリュームで音作る方にとっては、面白いと思います。

シングルの音は、前回説明したようにあくまでもハムバッカーの半分です。出力は通常のストラトのようなシングルほど望めません。ですから、しっかり高域まで出したいのであれば、先ほどのPUはお勧めです。DuncanのSH-1(59‘model)ですと、少々甘いので、うまみは出ないかも?です。甘いP-90くらいに考えるといいです。

僕がこれをやめた理由は、ライブ時に微調整できないから。当時はライブ少年だったから、0か、1かの切り換えの方が良かったんです。ですけど、レコーディングやるようになってから1本あってもいいかなと思うようになりました。偶然なんですが、青紫のストラト(以前に所有)を見つけたときに、リアとミッドが直列(コイルの離れたハムバッカー)と並列(こっちで普通のハーフトーン)の切り換えができて、さらに直列時にコイルバランサーが施されていたカスタム仕様で、すぐに慣れました。用途としては、やはり歪みのコントロールが一番で、次が他に出せない音が目的でした。中間の音といっても極端には変わりません。高域の抜けが変わってくるので、ここがポイントです。

人とはちょっと違う改造で、そんじょそこらに無い音が欲しい人にはお勧めです。