ピックアップ

ポールピースの調整

2012年 09月 24日 00:39 | カテゴリー: ピックアップ
2012年 09月 24日 00:39
ピックアップ

主にハムバッカーになりますが、シングルでもやってできないことはありません。私のメインである赤紫は実際にフロント、ミッド、リアともに調整してあります。コツはありますので、それを含めてご紹介します。

 

ポールピースの調整でなにが変わる?

一般的にポールピースを調整すると、感度が変わるという言い方をします。これは弦がはじかれてから、電磁誘導で微弱な電流を作り出して、音になるまでの間で、電磁誘導が起こるまでの時間が短いということです。

ですからハムバッカーの構造、特に一般的な構造(この場合はPAFを指しますが)では、ベースプレートに乗った磁石の両側に接地したポールピース(ネジで動くほう=アジャスタブル)と動かない方のポールピース(ノン・アジャスタブル)を通って、磁界が広がります。なので磁石から離れてしまうくらいにポールピースをあげることはありません(ツーかそこまで上がるものではないです)。

ですが、弦によって、振幅の度合いが違うので、適度に調整した方が電磁誘導は起こりやすく、また微細な弦振動を受けることもできるようになります。

磁界は、もちろん目には見えませんが、ポールピースを上下に調整することで、弦振動がつかみやすくなるので、弦の振幅、出力に合わせた適度な調整があったほうが、より良く鳴るということになります。

 

シングルPUを見てみる

Single_PU.jpg

まずはシングルPUを見てみましょう。Fenderに代表される一般的なシングルPU(いわゆるスタッガードタイプ)は、6弦側から4弦までなだらかに上がり、4弦が一番高く、3弦が少し低いくらいで、2弦が一番低く、1弦が6弦とほぼ同等という高さになっています(54年製ストラトの3弦と4弦の高さが逆というのは、除きます)。

実はこれが一番利にかなっているバランスです。ただシングルでパワー(この場合コイルの巻きというべきか)が足りないため、低いポールピースと高いポールピースの差が大きくなっています(とはいっても、ポールピース自体が磁石なので、間接的磁力のハムバッカーより大きなものもあります)。

この高さの差をもう少し縮めてみるとハムバッカーにも当てはまります。使われている磁石はおおよそ2mm前後くらいでしょうか?つまり一番高い4弦と一番低い2弦の差は最大でもこの2mmほどに抑えることになります。

そして一番高い4弦は、横から見てネジの頭部分がボビンから離れるほど、上げることはありません。

 

PU本体の高さ

ですからPU本体の高さ調整がある程度重要でもあります。調整がとれた状態で、22フレットを押さえて弦が触れては意味がないわけで、ある程度の距離は必要です。

ですが当然ながらコイルが電磁誘導の元になる弦に近づきすぎても磁場に影響を及ぼすので、こちらも適度な距離が必要です。

PU自体が持つパワーに合わせる必要があります。一般的な弱い磁力の代表格であるPAFクラスであれば、弦とポールピースの距離はおよそ10円玉2枚分として、PUの高さを調整します。ですから(弦高の調整もありますが)普通はボディと平行ではなく、若干6弦が低く、1弦側が高い、少々斜めの状態になります。

詳しくは、過去の4つの記事、

を参考にしてください。

 

ポールピース調整の実際

HUM_PU.jpg

で、ポールピーピースの調整は、先にある程度の山のカーブを作っておいて、PUの高さを決めてから、再調整してやることになります。

もちろん、シングルですとPUの高さ調整しかないわけですが、ハムバッカーの場合は上記のリンクにあるような調整です。

で、当然ながら音を聞きながら、各弦の調整をします。最初にある程度の山のカーブができていますから、PUの高さ調整後に行います。もちろん、弦高は調整できている状態です。

もう一つ、ヘッドホンやマルチエフェクターなどの小さいスピーカーではなく、できるだけアンプを使用してください。通常使うような12インチクラスのスピーカーが理想的ですが、調整だけなら小さいアンプ、¥5000くらいのトランジスタアンプでも良いです。とにかく、スピーカーで音を聞くことが重要です。耳に近い音を聞くのではなく、ダイレクトなスピーカーの反応を感じることが重要です。

6弦からはじめます。まずは22フレット(最終フレット)を押さえて、弦を弾きます。詰まるように聞こえるなら、少々下げ目にしますが、最終フレットの場合、本当に詰まっている音なのか、ちゃんと鳴っている音なのかの判断が付きにくいです。この判断は、まず、ポールピースの頭をピックアップ側に下げて、頭が埋まるくらいから、徐々に上げていくという方法をとります。

フロントにしてもリアにしても、ある程度のPUの高さで距離があるはずですので、ポールピースと、ノンアジャスタブルポールピースを同じ高さにして、(語弊はありますが)ダブルコイルの面で捉えるようなところからはじめるということです(言葉での表現が難しいですが、うまく読み取ってください)。

徐々に上げていきますと、まあ、おおざっぱに半回転くらいずつでしょうか、音に変化が出てコンプをかけたように詰まってくるところが出てきます。そこが高さの限界ですので、少々下げます(2~3回転程度)。すると、詰まるというより、弦のアタックがはっきりとして、抜けの良いポイントがあります。そこがちょうど良い高さとなります。

これを1弦まで繰り返したところで、次は弦のバランスです。出力にばらつきがないように6~1弦まで最終フレットを押さえながら連続的にポン、ポン、ポン...と弾いてみましょう。1弦側の出力が足りないようなら、若干6弦側のPU本体の高さを下げます。ここで下げるにはほんの少しずつ、ねじを半回転くらいでも結構変わりますので、慎重にバランスを取ることです。

この調整で、最終的にPU本体は6弦側が若干下がって、1弦側が高くなると言う結果になります。どうやっても1弦側の出力が足りないのはどんなPUでもそうなので、ボディと平行になるような調整は無いというわけです。

 

ポールピースの調整後

2ハムのギター、レスポールやセミアコなどはフロントの高さがかなり調整幅が広いので、ここでそのギターの味が作れるようになります(リアは割と決まりやすい)。

PU本体を割と上げ目でポールピースに各弦の差がないくらいにすると、コンプ感が出てアタッキーになりますし、PUを若干下げ目にしてポールピースの高さをうまくとってやると、ピッキングのコントロールによるニュアンスがはっきりと出るギターになったりします。かなりがらっと性格が変わりますので、ご自身の音楽性に合わせて調整してみてください。

一般的に鳴るギターと呼ばれるものはPUとポールピースの調整がうまくいっているものが多いです。プロに任せてもギターの鳴りは改善されます(プロとは言っても、楽器屋さんにあるようなところではなく、本当のリペアマンがいる工房や専門ショップです)。本物のプロはここの加減が絶妙で、本当に鳴りが良くなります。

とはいっても、ポールピースだけで極端に音が変わるようなわけではありませんので、この調整での過度な期待はされないように。やらなければならない調整でありながら、極端に音に影響はありませんと言う地味な調整ですが、本気でやったギターは鳴りが俄然違うと覚えておいてください。

ストラトのHSHタイプなどでは、弦高が取れないため、各PU本体の高さに差が少ないので、結構慣れないとやりにくいかもです。