
Vox ToneLab STのエディターソフト
マルチ系
ここのところ、ずーっと家では完全なアンプ代わりになっているToneLab STです。ご存じ、真空管を内蔵したマルチエフェクターで、特にアンプモデリングには本物の真空管を使っていることもあり、結構定評があります。たぶん、僕が思うに安価版といえども、このアンプモデリングは他社のマルチエフェクターを凌駕すると思っています。歪みも良いし、種類もそこそこ(33種類あります)あり、割と定番アンプで占められているので使いやすいことこの上ありません。
もちろん、プロ御用達であるFractal Audio Systemsの Axe-Fx IIやKenper Profiler Head/Rackのようなモノにはかなわないかも知れません。でも、録音専用のアンプとして自宅で使う分には安価でレベルの高いモノだと思います。アンプのセレクションもなかなか良く、手頃なモノや実際に手の届かないモノまで網羅しています。
なんと言っても本物の真空管を内蔵しているのが一番の強みです。メインのエフェクター達を通してアンプだけなら、スタジオやライブに持って行くセッティングはもちろん、自宅録音だってまかなえてしまいます。その空気感、質感はただのライン録音とは思えないほどのニュアンスを持っています。
2009年発売だったと思いますが、既に国内では販売も終了しており、今や中古品を探すしかない状況ではあります。まあ、中古だと安いんでメインのエフェクターの最終段のコーラスからステレオ出しで2台使っていたりします。住宅事情でへたなちっこいアンプを買うくらいなら迷わずお勧めのマルチなんです。
エディター見つけました
既にご存じの方もいるかと思います。これ、新品で買うとライブラリアンにしか対応しておりません。まあ、安価と言うこともあり開発コストも掛けられないでしょうし、数値だけ把握できるライブラリーだけしかないのがちょっと残念でした。
各アンプの特性を見たくてFFTアナライザーを探していたときに、なんの弾みかこのエディターのYouTubeムービーが引っかかってリンクをたどっていくと、見つけました。
↑ここです。
ドイツ(?)なのかな?まあ、Englishページがあったので、そのリンクです。
OS対応は、Mac OS 10.6以上、Windows XP SP3以上です。親切ですね。あと、Java Runtime Environment (JRE) 1.6以上が必要です。当然ながら、ToneLab ST用のUSB-MIDIドライバーが必要です。
早速ダウンロードして、使ってみました。
使用感
立ち上げる前にMIDIドライバーのインストールとToneLab ST本体の接続が完了していることが必要です。Windowsで試しましたが、楽です。
インターフェイスがToneLab STまんまなので、普段からいじっていればこれほど楽なことはありません。当然ながらパラメーターに関して、背面の機械式スイッチ(出力用のフィルター)は触れません。本体上部のパラメーターはすべてOKです。
たとえば、CABINETボタンの長押しでOPTIONモードに入り、キャビネット、Presence、NR(Noise Reduction)を設定するときも、マウスで長押しするか、Altキーを押しながらマウスで操作できます。この時に触れるつまみがうっすらと赤くなりますので、わかりやすいと思います。また、MOD/DELAYのセクションで、EDIT2を操作(TAPボタンを押しながらEDITつまみを操作)する場合も、Altキーを押しながらEDITつまみをマウスで操作することで設定が可能です。各つまみの上にマウスを持って行くことでそのパラメーターの数値がポップアップします。
仕様上使えないのは、
- Tuner
- KEY ROCKボタン
- ペダルのASSIGNボタン
- ペダルの数値ポップアップ
です。
また、ライブラリアンのようにPreset Listが出せます。Fileメニューから「Open Preset(Cntl+O)」で開きます。1点残念なのは、フットSWの上のエフェクトセクションは、選択したパラメーターの名前(ロータリーエンコーダーの方=エフェクト名)は出ますが、設定数値まではこのリスト上には出ません。パネルウィンドウの方で、必要なつまみをクリックしてディスプレイを見るか、マウスを乗せてちょっと待つかしかありません(これは全つまみ共通)。
まあ僕みたいにアンプだけしか使用しない場合なら十分だと思います。ですので、使い方としては、
- アンプの音色を作ります(リアルタイムで音に反映されます)
- 気に入ったら、Writeボタンを押す。1回押すとプログラムNo.がポップアップするので任意のNo.を選びます。
- もう一度、Writeボタンを押すと、Preset Listに反映されます。この時、若干タイムラグがありますので、2度目に押すときはちょっと間隔を置いてください。
注意点はリアルタイムで音に反映するので、Preset Listにセーブ後、本体でいじって上書きWriteすると、次に立ち上げたとき、パネルウィンドウにはその新しい設定値(本体上で最新の設定値)が読み込まれています。この立ち上げるときに、Preset Listに強制的に上書きしてしまいます。バージョンはV0.3です。一応Preferenceで、それが上書きしないように設定がありますが、どうしても上書きしてしまいます。本来は、反映させる(上書きする)場合には、Fileメニュー→Preferenceで、Preferenceウィンドウを呼び出し「Application Updates」にチェックを入れてください。チェックが外れていると上書きしないようになるはずですが、なぜかできません。
プログラムを残したいのであれば、Preset ListでプログラムにTitleがつけれるようですので、プログラムを事前にコピーするなりうまくやりくりしてください。
ダウンロード方法
特に難しいことはありませんが念のため。
上記リンクのページ中央に「Download binaries」というリンクがありますので、先ずは飛びます。Sourceforgeのページに飛びますので、グリーンのボタンの「Download」を押します。
するとダウンロードが始まります。
この圧縮ファイルを解凍すると、PCとMacの両方が入っています。
PCの方は「stlab-0.3.pc jar」というファイルをクリックすると立ち上がります。もちろん、立ち上げる前には、MIDIドライバーと本体の接続を忘れないでください。でないと、エラーが出ます。
Macの方は、(やってませんが)OS X用のフォルダがあり、開くと「Stlab.app」というのがありますので、ダブルクリックで開きます(たぶん)。
これ、基本的にドネーションウェアです。お気に入りの際には、寄付をどうぞ。メインページ下に「Support this project」というバナーがあります。
また、ページのダウンロードリンク上からGitHubにも行けます。ソース類もありますので、プログラムのわかる方は、見てみるのも一考かと。ライセンスがGPL V2.0ですので、相応の措置はお願いします。