マルチ系

Zoom G3の所感 その2/3

2013年 01月 14日 20:22 | カテゴリー: マルチ系
2013年 01月 14日 20:22
マルチ系

さて、続きますよ。アンプシミュレーターはちょっとこだわって見ていきましょう。

 

アンプシミュレーター系(039~060)

これは、良いです。昔のZoomのイメージが無いですね。というか、歪みに関してのこだわりが、出ています。まあ、昔から歪みの弱さは指摘されていたZoomですが、全くの別物です。ZFX-IIIでも??でしたが、今回は良いです。特に、真空管のコンプレッション感がよく出ています。ご自慢のシグモイドカーブ(HP参照お願いします。)の効果でしょうか、確かに倍音感、中低域の音圧感が良くでてます。願わくば、2Volにして欲しかったけど、まあ、真空管っぽさは良く出ています。

へたするとPod X3よりも良いです。Pod X3はどうも平面な感じで飽きてしまいました。厚みを感じないというか、深みがないというか、どうもデータだけ追ったデジタル臭さを感じてしまいます。実際はデジタルなので同じなのでしょうけど、G3の方が暖かみがあり、コモリ方がアンプっぽいんです。ギターアンプの大体のスピーカーが5~8kHzが最高です。ですから、Pod X3みたいに堅くないのが本当なんで、それに似ているのがG3のほうです。ここは秀逸です。

また、ちゃんとヘッドとキャビネットが対になっているのが好感持てます。Pod X3は72種類もアンプモデルあるのに、キャビは24種類。結構手抜きだなと思っていました。

なので、どのアンプモデルも基本、同一メーカーの推奨キャビが付いているので、正当派な音がします。まあ、キャビの部分は基本的な仕組みとしてはフィルターを受け止めても良いでしょう。でも抜けないフィルターじゃないので、ちゃんと音圧(箱鳴り感)も出るようになってます。
 

039 FD COMBO

65年製Fender Twin Reverbのブラックパネルですね。85W出力の、Tweedを除いて歴代で一番歪む奴です。ですが、こいつの良いところは出力が上がって、歪まないくらい(クランチの一歩手前)あたりで使うところが、おいしいところです。

いいですね、Twin Reverb党の私としては、クリーンならば70年中期の銀パネTwin(出力130W)で、JBL付きですとベストなんですが、これはGainをやや下げて、少々堅めでも暖かな音を作って倍音感を出すのが良いです。気に入りました。
 

040 DELUXE-R

65年製Fender Deluxe Reverbのブラックパネルです。出力が22Wですので、クラブギグなどでは少々出力が足りず、音量を上げたときのナチュラルなオーバードライブが有名になったアンプです。これにTS系の歪みでブーストして艶やかな音を出すなど、かの御大やブルース系のギタリストが好んだアンプですね。

ちゃんとTwinより小さめな雰囲気が出ています。歪ます(Gainを上げる)と、イナタイ感じが良く出てきますし、倍音感がよいです。
 

041 FD VIBRO

63年製Fender Vibroverb、これもブラックパネルですね。こちらも、かの御大が好んだフェイバリットアンプです。こちらはスピーカーが15インチです。と思いきや、63年だから...と思って、リストを見ると、あ、やっぱり。10インチが2発の初期タイプ(ブラウントーレックス)の方ですね。かの御大が使っていたのは15インチ(ブラックトーレックス)の、63~64年の間にしか作られなかった稀少のアンプです。

出力40Wで、初めてReverbを積んだモデルで、Vibratoが付いています。このブラウントーレックスは使ったことがありません。15インチなら「音デカ!」という感じでした。まあ、プログラム自体にReverbもVibratoもないので、何とも言えません。でも、Fender系の音です。
 

042 US Blues

Fender Tweed Bassmanです。年式はわかりませんが、59年あたりですね。10インチ4発の奴で、出力は30Wです。もともとベース用に作られたアンプですが、この当時、ギターアンプでこれに匹敵する出力を持ったアンプが無く、いわゆるロックンロール系のギタリストが、出力を求めてギターインしてボリューム上げたらなかなか良い歪みだった...ってなところから、ある意味歪みアンプの代表的に捉えられているところが大きいアンプです。

レオ・フェンダー自体、歪みを想定して、しかもギタリストが使うように作ったわけではなく、頭を抱えていたというのも有名な話で、いつの世もユーザーは作り手の枠を超えて新しい音を模索するわけです。

そんなBassmanも堅さが良く出ています。前述のブラックパネルよりやや固め(ベースの抜けを考えたチューニングと思われる)のこのアンプの雰囲気が良く伝わってきます。
 

043 VX COMBO

よくわからないのがこれ。VOX AC30はわかりますが、Top Boostなのかな?「リバプールサウンドを代表する」というのが根拠です。知っている方は、ご存じBeatlesのことだと思うので、ここは当然Top Boostと思うのが普通です。Treble Boosterの改造が施されたAC30ですね。

これも実際使っていないので、何とも言えませんが、実機にはトーンがHicutになっているところが、うまく表現されているかどうかわかりません。オーディオ同様のクラスAで作られているので想像はできますが、こう普通のアンプのようにな構成になっているとわかりません。
 

044 VX JMI

もっとわからんのがこれ。これもAC30ベースなんだろうけど、名前にあるJMIはVOXの前進ともなったメーカーです。で、近年JMIが復活しているわけです。当然メインで出しているアンプはAC30ベースです。で、これがそうなのかな?というのがJMI AC30です。

さすがにこれも弾いたことはありません。
 

045 BG CRUNCH

Mesa Boogieのコンボ、MarkIIIのクランチだそうです。4Volになったモノです。良く歪みます。個人的にはMark IIあたりで良かったのですが、12インチ1発の音がちゃんとします。
 

046 MATCH 30

Matchless DC-30ですね。これもVOX AC30にインスパイアされたアンプです。043、044と良く似ています。普通によいです。
 

047 CAR DRIVE

Carr社のMercuryというアンプです。アメリカではこうしたハイエンドのスモールコンボが人気のようで、日本のスモールコンボ事情とはちょっと違う感じです。このMercuryはNAMMショーでも話題のモデルだったようで、人気も高いようです。
 

048 TW ROCK

実は一番楽しみだったのがこれで、Two RockのEmerald 50のドライブチャンネルです。Two RockはDumbleクローンとしても有名なアンプで完全なハンドメイドです。本物のDumble ODSはもちろん、Pod X3よりも少ないコントロールで、大丈夫か?と思いきや、なかなかどうして、You Tubeの動画(Dumbleアンプの)に迫るような音を出します。良いですね。これはもう少し弾き込んでみたいと思います。
 

049 TONE CITY

Sound City 50 Plus Mark IIというアンプは聞いたことはありますが、実際は知りません。一般的にはSound Cityというと、あのHiwattの前身でSound Cityという楽器屋さんオーダーのカスタムアンプだったはずです。で、調べるとマルコシアスバンプの秋間さんのブログが出てきてびっくりしました。アンプビルダーでもある秋間さんだけに解説はポイントを押さえていてわかりやすい。トーンがアクティブですべてブーストできるらしい。幻のアンプだそうです。
 

050 HW STACK

Hiwatt Custom 100だそうです。DR103だよね。ピートタウンゼントやジミーペイジ、デビッドギルモアの使用で知られています。あくまでもクリアなアンプです。これは今一だったかな?でかい音のイメージが出ていなかった。
 

051 TANGERINE

Orange Graphic 120だそうで、これも実機は弾いたことがありません。オレンジというとグラム系のあの人がすぐ浮かびますが、あまり詳しくないので、説明は割愛します。
 

052 B-BREAKER

Marshallのコンボアンプ、1962 Blues Breakerと書いてますが、今ひとつわかりません。普通はJTM45と思います。Blues Breakerって単なる愛称で、モデル名ではありません。しかしですね、本家Marshallから1986年に、JTM45のReissueとして「1962 Blues Breaker」というモデルが出ています。もしかすると後者かも知れません。堅いJTM45の感じがします。

元々基本回路はFender Bassmanですから、それと似てるんですけどキャビがちゃんと12インチ2発の音です。
 

053 MS CRUNCH、054 MS 1959

これ、どちらも同じ固体を使用していると見た。Marshall 1959 Super Lead 100Wです、たぶん。3Pinの4inputです。このヘッドの音を、初代JTM45の音に敬意を表して「Plexi」と呼んでいるわけです。なので、それぞれのプログラムは同じヘッドの3段積み、キャビネットはMS 1959の方に「Bキャビネット(ストレート)」とあるので、たぶん、053 MS CrunchをCrunchセッティングにAキャビ(スラント=角度付き)で、054 MS1959をフルドライブでBキャビで録った(サンプリング)したと推測しています。

どこかで書きましたが(「スピーカーキャビネットについて」で書きました)、スラントとストレートは低音の具合が違います。特にレコーディングでは、Bキャビのキャスター(車輪)を取って、床に直置きすると、低音が豊かになります。AキャビとBキャビの差がはっきり出ているので、面白いです。組み替えて聞いても面白いですよ。

音質は、後者に関しては特に「あ、Van Halen好きな人なんだな」と思わせるのがニヤリとしました。
 

055 MS DRIVE

Marshall JCM2000とありますが、DSLとTSLのどちらなんでしょうね。すごい簡単に言うと、2ch仕様がDSL(Dual Super Lead)で、3ch仕様がTSL(Triple Super Lead)で、パワー管がEL84(DSL)なのか、EL34(TSL)なのかです。一般的にTSLのLead ch(3ch)が一番歪むと言われているようです。たぶん、ハイゲインと言うことで、TSLかなと思っていますが、DSLも十分ハイゲインです。

これは、JCM2000でのミッド感がうまく出ていません。レコーディング後のややドンシャリ気味に仕上げられていようです。本物はもうちょっとミッドが強いです。
 

056 BGN DRIVE

はい、有名ブティックアンプの先駆け、Bogner Ecstacy ch3のリードだそうです。嫌いなアンプじゃないし、Pod X3でもよく使ってました。Pod X3よりアンプらしい感じ。平べったくないというか、ふくよかさが違います。なんか太さがあって良い感じ。
 

057 BG DRIVE

Mesa Boogie Dual RectifierのRed ch(Vintageモード)です。これは、ToneLab STの方が良かったかな?さすがに真空管だけあって。いなたくつぶれた感じが独特なレクチなんで、好みが分かれそう。でもPod X3より良い感じもする。
 

058 DZ DRIVE

Diezel Herbert ch3だそうです。ん、なんか後ろの方でちらほら見せるフィルター感がDiezelっぽいですね。本物弾いたときもなんか変なフィルター感を感じたのですが、そのフィルター感が良く出ています。キャビの方の音だけではないですね。この変なフィルター感はもっと前に出すと、より似ているかも知れません。
 

059 ALIEN

Engl Invaderだそうです。他のプログラムに比べてあまりインパクトはありませんでした。Soldano?じゃないな、Marshall?でもない...要はですね、何かで代用できそうな音です。癖はないので、使いやすいかも。ただし、歪みの質が好みに合えばですが...。
 

060 REVO-1

さて、最後のアンプモデリングは、Krank Revolution 1 Plusなのです。前のただの「1」だったか、Rev-Jrの方だったか、2段積みでちょっとちっこい奴(たぶんJrの方)を弾いたことありますが、出てくる低音はまさに重低音、Mesa BoogieのRectifierをさらにつぶしたような歪みの質にその重低音で、「ちっこいのになんて奴!」という思いがあります。これも、前述のDiezelと同じで、なんか奥まった感じのフィルター感があります。でもそこが良く似ている。出てくる音の陰にちらほら見える感じですが、058同様にこの変なフィルター感がもっと前にでれば、かなり近いのではないでしょうか?

 

アンプモデルの印象

一通り弾いてみて、歪み系同様にかなり好印象であります。ただ...ただ...一つ引っかかりました。ハイゲインだけは別とすると、何となくですがどのモデルも共通の歪みの質を感じるんです。

確かに、歪みは大きく分けて、プリ部、パワー部、それを受け止めるスピーカー部で決まるでしょう。で、全モデリングのベースとなった実機を調べると、22モデルすべてのプリ管は本数こそ違えど12AX7(または相当する代替品、ECC83/12AY7/EF86など)です。で、パワー管は6L6同等品(同様に、6V6/EL34/84KT66/6550など)でした。

だから、Fender系4つはしょうがないだろうとか、AC-30系3つなどはしょうがないとしても、そのFenderとAC30が似ていると来ているモノだから、ちょっと困惑するわけです。まあ、歪ませるほど原形はとどめないので、似てくるのはわかるのですが、歪み系のところでも書きましたが、アンプモデルにJC120は欲しかったです。クリーンのデファクトスタンダードですから。クリーンの方が評価しやすいわけです。

この辺がZoomと言えるのでしょうが、パラメーターが少ないと思うんです。いらない飛び道具系を減らして、ちゃんと本気のモデリングをして欲しかったという印象がぬぐえません。ここまで歪みの質が上がっているのですから。他メーカーにない「Tube」と言うパラメーターはOKですが、もう一つVolが欲しかった。最終段の(Master)Levelだけでなく、クリーンをしっかり出すための2nd Volです。それか、アンプのサウンドキャラクターを決める「Color」とか、要はそのアンプ独特の音を出せるような癖を付けるものです。そんなコントロールを付けられるのであれば、アンプのキャラも引き立つと思います。

 

残り、モジュレーション系、空間系と続きます。