EQ・フィルター系

堅い音と抜ける音の違い

2012年 04月 10日 20:20 | カテゴリー: EQ・フィルター系
2012年 04月 10日 20:20
EQ・フィルター系

私もよく使う言葉で、「堅い音」とか、「抜ける音」、「通る音」なんて表現をします。どうも日本語というのは曖昧にできていて、正確に意味を知りたい場合には苦労します。よく言われるのは「英語にしたらよくわかる」と言うことで、調べてみました。本題は後半でお伝えします。

 

まずは英語のお勉強

特に、ギターの音作りに対していろいろな形容がありますが、日本語は本当に曖昧です。その中でよく使われる(私もよく使う)言葉がこれらです。早速英語にしてみましょう。
 

堅い音=Harsh Sound

ここで言う「堅い音」というのは、EQで高域を上げすぎたような、耳に刺さる音という意味です。Solid soundでもHard soundでもありません。確かにどちらもよく耳にしますが、本来、SolidやHardという言葉は、物理的なものや量に対して使用します。たとえば、ギターの用語ではSolid Body(セミアコやフルアコのような中空構造のボディを持たない、ストラトやレスポールのようなボディのこと=物理的なもの)とか、Hard Distortion(歪みの量)のように使います。

ところが、「ギターの音が堅いよ」と言う場合には、「耳に刺さる」とか、「耳障り」と言う意味です。ですから、この場合は「音」に対して使われる場合の「ざらざらした」とか、「とげとげしい」と言う意味を持つ「Harsh」を使います。ですから、「堅い音」と言った場合には、あまり良い意味ではないんですね。

ちなみに反意語は「Smooth Sound」で、平坦な音とか、なめらかな音という意味です。
 

抜ける音=Crisp Sound

「抜ける音」って、外人は言いません。「通る音」ともいいません。いかに日本語が曖昧なのかよくわかります。だってこの意味を持った単語ないんですもの。で、近似で使われるのが、「Crisp」です。

Crispとは、「さわやかな」とか「明快な」と言う意味の単語です。まあ、ポテトチップスを食べるときの「パリパリ感」を表す言葉でもあります。音の意味で使われる場合には「鮮明な」とか使います。

つまり音に関しては、「ちゃんと聞き取れる音」とか、「それとはっきりわかる明快な音」と言う意味でCrisp Soundなんでしょう、きっと(ネイティブではないのでわかりませんが)。海外のHPなど見ると、ほめ言葉として良い意味で使われます。

反意語では、「Vague Sound=漠然とした音」と使われるようです。

 

まあ、どちらの単語も英語の意味からすると、日本語が良い意味にも悪い意味にも取れる曖昧な言葉として感じますね。ですが、英語の方は音の印象をよく表していると思います。

 

「堅い音」と「抜ける音」は全く別物

本題に入ります。

初心者~中級者に多い誤解がこれで、「堅い音=抜ける音」ではありません。特にCD世代で育った人には多いです。というのも、やっぱり普通は曲をコピーして腕を上げていくので、どうしても録音されたお手本を聞く事が多くなり、腕が上がるにつれ、お手本曲の音質に近づけたくなるからです。

特に90年代以降の作品では、ギターの音がドンシャリとかとても多くなりました。でも実は、CDという作品に収めるためのミックス後の音質であるため、そのギタリスト本人の出す実際の音とは全くかけ離れています。外タレにせよ、日本人でも、ライブに行くとわかります。CDと同じ音質でギターの音が鳴っていることはまずあり得ません。なので、ギターで「堅い音」を作るのは、アンサンブル(つまりバンド)では、邪魔になるだけなのです。

まあ、サイトのあちこちで言っているので、耳タコでしょうから、先へ進みましょう。

ギターの音質は「イコライザーについて その1」の表にあるとおり、意外と狭いです。これだけの帯域しかないギターは、その出力先によって音の作り方は変わります。というか厳密に言うと、変えるのが普通です。低音~中高音のギターは、他のインストともかぶる部分が多いのです。ですので、うまく調整しないと、特にボーカルとはぶつかりやすいので、堅い音(つまり2.5kHz以上に当たる部分)は、避けた方が得策です。

ですが、その前に。「出力先によって変わる」んです。

この出力先は、3つ。アンプ出力、PA出力、レコーディングです。詳しくは後述しますが、アンプ出力とは普段のスタジオでの練習やライブでの話、PA出力はアンプの出力をマイクで拾ってPAスピーカーへ音を出力する場合、レコーディングはアンプの出力をマイクで拾うところまではPAと同じですが、そこから他のインスト共々ミックスして作品を仕上げていく場合です。

しかし、こんなに違う環境の中、共通する変わらない音があります。それを持っていることこそが、自分の音であり、ギターにとって「抜ける(通る)音」になります。

 

「抜ける(通る)音」とは?

単刀直入に言いましょう。音量に関係なく、他のインストと混じっても区別がつき、存在感がはっきりしている音のことです。ですから、ギターにとっての抜ける音は、多少音量が小さかろうが、ギターとわかる音です。

ですから、先ほどの「イコライザーについて その1」の表にある、およそ100Hz~5kHz前後の間、これがギターの音域で、さらに実際にアンプから出る音をいうと、200Hz前後~4kHz前後というところ。さらに一番ギターらしい音(フレーズとして有益なところ)とは500Hzくらい~2kHz以下くらいです。

そして一番近くて重要なパートのボーカルの芯は、男性で1kHz~4kHz、女性で1.6kHzくらい~8kHz以下ですので、上の帯域はやや抑えめにしないと、ボーカルよりうるさくてはアンサンブルが台無しです。さらに、下の帯域はベースともかぶるので、あまり上げるとぼやけるのでせいぜい箱鳴り感がでる200~250Hzあたりを上げておくくらいでしょう。

つまり全体的な音の質感はカーブでいうと真ん中あたりが盛り上がった山型であることが、「抜ける音」の条件です。

 

出力先による音作りの条件

さて、先に出力先にて音作りは変わると言いました。ですがこの記事上にそれを書くのは長文過ぎるので、分割します。

以下のリンクで先に続いてください。

・抜ける音の音作り ーアンプによる音作りー(Amplifierコーナー)

・抜ける音の音作り ーPAが絡む音作りー(Bandコーナー)

・抜ける音の音作り ーレコーディング用の音作りー(DTMコーナー)