
マルチのペダルはボリュームペダルではない?!
マルチ系
フロアタイプのマルチエフェクターには必ずと言って良いほどペダルがついています。プログラムによっては、ワウになったり、ボリュームペダルになったり、または各エフェクトのバリューをコントロールするエクスプレッションペダルになったりします。
この中での「ボリュームペダル」のところに注目してみましょう。
基本的にデジタルの場合はエクスプレッションです
だいたいどのメーカーのモノでも、マルチエフェクター内のボリュームペダルの設定バリューは0~100や0~128だったりします。アナログのボリュームペダル(単体のペダル)は、Min~Maxで無段階です。
これが結構大きな差になります。アナログの無段階というのは、細かく言うと50.5とか95.8とかいわゆる小数点以下の微妙なところですらコントロールできると言うことです。たいしてマルチではその最大バリュー値で割った段階に区切られています。つまり、0~100であれば100段階、0~128であれば、128段階です。この段階の差がエクスプレッションである証です。
エクスプレッションというのは、段階があるのでさっきのアナログのように小数点以下に当たる中間点を出すことはできません。ペダルを踏み込んだとき(Max)と絞った状態(Min)ではボリュームペダルと変わりありませんが、微妙な調整が必要なときに差が出ます。特に段階が小さいモノははっきりと耳に聞こえてきます。
「ゴゴゴっ...」と唸るようなノイズが出てくるのです。これは気にならない人は気にならないでしょうが、耳のいい人なら結構気になるはずです。特にレコーディングでヘッドホンなどしているとやけに気になります。もちろんライブなどではバックが鳴っていれば気になりませんが、音量が大きいので、アンプの前にいるとわかりやすいです。当然マイクでは拾われることになりますので、注意したいところです。
一番出てくるタイミングは、音量の調整をするときで、足がペダルに載って微妙な調整を取ろうとわずかに上下させているときに出てくる音です。言ってみればワウペダルのようにペダルの上下をある程度のスピードで繰り返す場合(ボリューム奏法時など)には気になりません。実はこの現象はワウのプログラムでも起こります。ただ、ワウの場合は音質の変化が激しく、マスキングされるところです。ですので気になることはないでしょう。
というわけで、純粋にボリュームペダルというのはアナログの場合だけ、マルチについているボリューム(ペダルアサインできるプログラムとして)はエクスプレッションです。
気になる人はちゃんとボリュームペダルを用意しましょう
前回の記事で前振りはしたのですが、ちゃんとアナログのペダルを入れるならマルチの後ろになるでしょう。このときは残響音に気をつけて操作すれば問題ないでしょう。
もしSend/Returnがついているならそこに入れてるのが理想で、できるなら残響系の前が良いのですが、マルチの良い点は全てが一体なのでノイズはコンパクトを並べるよりは少ないはずですので、たとえ別は歪み系をSend/Returnで入れていても、その歪みのあとなら(つまり歪み+ペダルをループに入れる)残響系の前にすることができるので理想的です。