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プロが良くやるリズム系の小技

2013年 05月 27日 00:42 | カテゴリー: DAW
2013年 05月 27日 00:42
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なんだかんだ言っても、プロとアマチュアには絶対的な壁があります。もちろん、機材的なところは大きいのですが、何かと真似できる要素も多いのです。つまりよ~く聞いてみることで参考にできる技、テクニックが結構あります。その辺の手の掛け方が、やはりプロはプロで、お金だけでなく時間も手間も掛けられるわけです(商業ベースでは時間に追われることもしばしばですが...)。

ただ作品だけで聞いてみると、テクニック的には耳が良い人は聞き分けられますし、それに気づいて打ち込み方が変わって、仕上げが良くなることは多々あるわけです。

特にドラム系、リズム系では小技として使われることが多く、一聴するだけでは聞き逃してしまうような、それでいてプロでは常套手段、さりげないけどそれをやっておけばプロっぽく聞こえるネタをリズム系に特化してご紹介します。

 

四つ打ちベードラ

これは様々なテクニックがありますね。「四つ打ち」というのは、別にベードラに限って使え言葉でもなく、4/4で1小節内の表拍を4回刻むことを言います。最近の曲では多いですね、この四つ打ちのベードラ。別に打ち込みでなくとも、バンド系やアニソンでも良くあるアレンジです。

ここでプロが違うのは、その音色の作り方にあります。使用トラックもベードラだけで最低で2トラック以上使います(プロはドラムの各インスト=スネアやタム、ハットなどをそれぞれ別々に打つのは常識です。その上でベードラだけで2トラック以上使うと言うことです)。ドラムを1キットの各インスト1音色だけで済ます事はありません。

 

表拍と裏拍で音色を変える

表拍というと本来は拍子の頭拍を言いますので、4つ打ちですと基本全部表拍です。1と3の奇数拍と、2と4の偶数拍で音色を変えるわけです。これがプロでは常識的に行われています。昨今の打ち込み系の曲では、ほぼ100%と言っていいくらい入っていますね。

でも、普通に聞いているとその違いに気がつかないくらい微妙な音色差です。2拍目、4拍目で変えて、奇数拍と交互で打ち込みます。その音色差を作る方法は以下の通りです。

  • 1つのサンプルをEQで味付けして変える
  • 1つのサンプルをチューニングダウンする
  • 1つのサンプルを2つ重ねる
  • 2つのサンプルを重ねる

おおむねこんな感じですが、いろいろとバリエーションがありますので、細かく見ていきましょう。
 

1つのサンプルをEQで味付けして変える

これは簡単ですね。奇数拍と偶数拍を別トラックにしてそれぞれに別なEQ処理を施します。奇数拍の方を明るめに、偶数拍を暗めにすると良い感じに仕上がります。また、バリエーションとしては奇数拍を硬めにアタックを強調するという手もあります。
 

1つのサンプルをチューニングダウンする

これが最も多いのではないのでしょうか?同じサンプルを用意して、奇数拍にはノーマル、偶数拍は数セントほど下げた(チューニングダウンした)サンプルを作って、拍で交互に貼り付けます。交互と言っても、もちろんトラックを分けておくことを言っています。差し替えなどを容易にする手段ですから。

チューンダウンすると音色的には暗めに仕上がりますので、数セントという微妙なところでは、ほぼ同じように聞こえます。普通は偶数拍にスネアがあるので割と相殺されますが、ベードラ単発の小節なんかでは、ベロシティでアクセントをつけるのは基本的に奇数拍です。偶数拍が明るい(チューニングをアップする)とアフタービートのように聞こえるので、注意が必要です。基本は奇数拍をベロシティを大きくすることが多いはずですので、音量バランスで調整するのもありです。
 

1つのサンプルを2つ重ねる

これは、全く同じサンプルを同時に鳴らすと起きるフランジング効果を利用します。ですから「同時」と言っても、実はほんの数ミリ/sec(ほとんどは数サンプル)ほど発音タイミングをずらします。すると、サンプルが変調し音が変わります。

これは先に鳴るサンプルと後に鳴るサンプルのベロシティの差でも聞こえ方が違います。2拍目と4拍目でも両サンプル(先と後のサンプル)の相対的なベロシティ値を変えてやると鳴り方が変わって聞こえるので、結構バラバラな音色が得られます。

これはベードラよりスネアの方が効果大だったりします。良く生ドラムでもスネアを打つときに、ちょっとリムショット混じりのかん高い音が出る、そんなイメージで使うと面白いと思います。毎小節2拍4拍で使うと、ちょっとうるさいかも知れません(笑)。
 

2つのサンプルを重ねる

これもありますね。メイントラックでメイン音を4つ打ちで打ち込み、偶数拍を別トラックの別な音を混ぜる方法です。普通にかぶせるだけではなく、特にHiphopや黒系の音楽では、サンプルの発音タイミングを完全に合わせて音量だけで調整する(フェーダーだけいじる)ということをやっています。

これのバリエーションとしては、その2つ目の違うサンプルをベロシティを抑えたゴーストノートとして打ち込んでおく方法です。生でもベロシティの小さい音は音色が変わりますので、全く違うサンプルを用意するならベロシティを変えながら、1つ目と被る部分をさらにフェーダーコントロールとかで2つ目のサンプルをコントロールすると音色が結構ばらつくので、生っぽく(単調ではないように)聞こえさせることが可能です。

 

打ち込みにおいては

最初はMIDIで打ち込み、音色を決め、オーディオに書き出すのが普通で、オーディオ書き出し後に、たとえばストリップサイレンス(リージョンの無音部分を削除する)で、リージョンをリズムでバラして、奇数(または偶数)拍だけ抜き出し差し替えするのが、一般的な手順です。

やり方はいろいろありますが、たとえば前述の3番目のフランジング効果を狙うなら、MPCやBatteryなどのセルタイプのドラムサンプラーなどのパッドにそれぞれ割り当て、リアルタイムで拾っても、フランジング効果自体がばらつくので、かなり自然(語弊はありますが)に聞かせることが可能です。これなら、パッドに割り当てたノート番号だけ切り換えれば良いだけですので、DAW上の同じトラックで、しかもノート番号だけ変えれば、差し替えも楽です。

2番目のチューニングダウンも、サンプラーなら実質同じサンプルを読んで、セルやパッドごとにチューニングを変えておくだけなので、波形を作る手間もありません。

時間軸を操作する3番目のフランジング効果は、DAW側のトラック設定だけでコントロールできるモノでもあります。ベタ打ちでジャストならそんなことも可能です。

まあ、組み立て方はハードでもソフトでも、最終的なエフェクト処理を頭に入れながら、トラックを組み立てるとやりやすいと思います。