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音圧が稼げるミックス技

2012年 05月 20日 21:31 | カテゴリー: DAW , Mix
2012年 05月 20日 21:31
DAW , Mix

俗に言う「音圧稼ぎはコンプから」というのは、この段階で初めて言います。先にミックス用の下準備では、主にレベル調整が不可欠でした(「音圧稼ぎには下準備が必要」を参照)。

ここでは、下準備ができたところでミックスに入る想定です。

 

コンプで各インストの慣らし具合を決める

おおよそのトラックが出そろったところで、ラフミックスへ行きますが、必要な各トラックにコンプをインサートします。このときに、その暴れ具合でコンプの効き具合を決めるわけですが、かけ過ぎるとレベルが均一化され、抑揚がなくなります。軽くかけると抑揚は保たれますが、ややバランスが取りにくくなります。これを考慮してコンプの掛け具合をいったん決めます。

ギターやボーカルのように録音時にコンプを掛け取りできるのであれば、DAW上ではきつくかけることはあまりないでしょう。

逆にあまりにきつい状態では、音圧を稼ぐためのレベルが十分にない状態です。最低限、クリッピングノイズなどを省いた状態でのノーマライズは必要です(前記事参照)。

 

EQを足す

これ、やる人によって違うんですが、考え方の違いでご自身の好みで良いでしょう。ただしもちろん音を優先して効きながら良い方で決めてください。
 

EQで必要な音を作ってから、コンプを通す(EQ→Compの順)

これだとちゃんと必要、不必要な帯域を作り込んでからコンプがかかりますので、必要なところで、しっかりかかってくれます。逆に言うと、全トラックでしっかり音質分けしておかないと混ぜにくくなります。全体の音像をしっかりと把握した上でエフェクトを組み立てなくてはなりません。
 

コンプを通してからEQで整える(Comp→EQの順)

最近のDAWに内蔵のコンプは質が良いので少々の音質変化しかありませんが、音をコンプで整えてEQで音質調整するという考え方です。音のレベル的なでこぼこが収まって、EQの掛けどころがわかりやすいです。本来コンプは音を圧縮しダイナミクスが失われるので、音がこもりがちです。それを補正する意味で、EQを後ろに置きます。特にヴィンテージ系コンプではそれが顕著ですので、EQは後ろです。

 

どちらにせよ、決まりがあるものでもないのでどちらでもいいですし、EQ→Comp→EQという場合もあります。いずれにせよ目的はそのトラックの音量を出すためにやっていることです。

 

各トラックのバランスを取る

この段階では、他インストの配置(左右間の配置)と混ざり具合(各インストの音量バランス)、曲の音域全体での配置(周波数的配置)を調整しているだけに過ぎません。これをラフミックスとして、全体像を決めていきます。

ここまでくれば、他のエフェクト(空間系など)も加えていきたいのですが、その前に、試しにコンプとEQだけで作った音に、パンとボリュームだけでどのくらいのミックスができるのか聞いてみましょう。残響がない状態でバランスがちゃんと取れるなら、各トラックの音圧は十分に録れているはずです。

しかし、揺らぎが大きく、聞こえたり聞こえなかったりする(特にメインになるボーカルや、ギターソロなど)のは、コンプでのレベル調整がうまくできてない証拠ですので、もう少しきつくかけます。その上でゲインを稼ぎます。

まあ大体この辺までは、無意識というか普通にできるようになってくると、どこの音圧が不足なのか見えてきますので、その大半が前記事と前述の内容に当てはまることになります。ですので、戻って再処理してください。

 

壁の作り方 その1

ギターのバッキングで良くやる手です。まず、1本取ります。同じ位置でリージョンを別トラックにコピーして、パンをL/Rに振ります。片方のトラックに30~50ms程のディレイをかけます(波形ベースでの移動でも、トラックディレイでもかまいません)。

これだけでも普通にステレオで録るよりステレオ感が出てきますが、さらにこの2トラックをコピーして、L/Rを反転させます。この4トラックをどちらも振り切ると音像がセンターに聞こえるようになります。これを1/2トラックを(左右-64~+63)に固定して、3/4トラックをうまくパンを調整してください(-30~+30くらい、または他のインストを縫うように)。この3/4トラックは、ディレイタイムを変えても雰囲気が出ます。微妙なずれがコーラス効果を出しますが、基本的にはどれも同じ音源ですので、大きな揺れは感じないはずです。3/4トラックはパンだけでなく、ボリュームも変えてやると厚みのコントロールができます。

これはコーラス隊や、ブラス隊などに応用が可能です。

 

壁の作り方 その2

これも普通にやっているかも知れません。ストリングスやパッド、ギターのバッキングなどでは常套手段です。空間系エフェクトで、エフェクト音だけを別にコントロールする方法です。言葉で言うととても簡単ですが、そのルーティング方法には様々なバリエーションがあり、一概に「これ!」というものがありません。それでも基本はありますので、先ずはそれを覚えましょう。

本来は、Sendで信号をBus送りして、Busをステレオトラックにして、エフェクト音を独立してコントロールするのが常套です。そして、Busフェーダーをほぼ固定して、各トラックのSend量でエフェクトのかかり具合を調整します。この方法は、ドラムセットなどをグルーピングして同じ空間の響きを得たい場合などに使います。

で、壁を作る場合にはこれを応用してBus(LogicでいうならAUXトラック)を増やして、厚みをつけていきます。これで全体の音圧を底上げして、最後にマスタリングで調整します。

 

結局まだ書き足りず、次へ続けることにしました。

次回「サービス、サービス」じゃなくて、「マスタリングでの音圧稼ぎ」です。