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モニタリングについて

2011年 04月 21日 01:08 | カテゴリー: Mix
2011年 04月 21日 01:08
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MSP5A.jpg

現在でも現役としてレコーディングスタジオなどで活躍しているモニターにヤマハのNS-10M(Studioなど含む)があります。スモールモニターとしてその豊かな中域と確かな定位感が魅力の2Wayモニターです。しかしこれもすでに生産中止となり後継としてでてきているリファレンスモニターがMSPシリーズで、前々機種MSP5というパワードに流れをくむもの。次機種がスピーカースタンドに対応したMSP5Aです。現在はMSP5 Studioとなっています。

私はこのMSP5Aを使用していますが、昔使用していたNS10M同様に定位感がしっかりしているのが気に入っています。またNS10Mよりも高域特性が改善され40kHzまでの再生が可能なため、特にリバーブなどのエフェクト成分がはっきり聞こえ、ミックスではよいバランスに仕上げることが可能です。

 

モニタリングのリスニング位置

さて、モニタリングの基本的要素にそのリスニング位置があります。2Wayではツイーターとウーハーの中間部分に耳の高さがくるように均等距離をとる、というのが定説です。後は高さに応じて角度調整します。ツイーターを耳の位置とする人もいるようですが、高域はその直進性と伝達スピードを考えると低音が遅れて聞こえるため、ちょうどツイーターとウーハーの中間位置がうまくミックスされる部分なので、そこに耳の高さを合わせるのがよいでしょう。

ちなみに自分のスピーカーセッティングはわりと高いところにあります。本来はモニターの両サイドに置きたいのですが、デュアルモニター故、置き場所がないのでモニターの上に、そして手前に傾けています。スピーカーの下にはAuralexの防振材を入れています。これはスピーカーをインシュレーターで持ち上げ、よけいな振動をさせない為のものと同等です。硬質のスポンジのためどうかと思ったがなかなかいい感じで低音が締まります。

 

低音の出る方向

しかし意外なことに気がつきまして、そのスピーカーのある机の前にソファがあり、そこに寝そべって本を読んでいると結構な低音が響いてくるわけです。その落差(寝そべったときの位置とスピーカーの高さ)は約1mあります。

パソコンからの出力(もちろんライン)では、自分のフェイバリットCDでフラットになるようにEQで調整していますが、寝そべって聞くと思いっきり低音が出ています。普通のオーディオで低音増強したような出方です。不思議に思い、別な小型スピーカー(サラウンドで使っている小型のスピーカー)を同じようにセッティングしてみた。こんなに小型(5cmのフルレンジ)なのにやはり低音が下方向へ出ています。

防振材も硬質とはいえ材質はスポンジなので低音は吸音されるはず。たしかにそれを取ってラックに直置きすると箱鳴りでもやもやするので、低音域は下へ行くのではないか?という疑問の元、今度は角度を定説の耳に向けるのではなく、ラックと平行、つまり自分の耳の高さではなくちょうど額あたりに向くようにしてみた。やはり低音が増強されて再生される。これで再度フラットに聞こえるようにEQを調整した。そしてイスから立って耳の位置を定説の位置に持っていくと確かに低音が薄れます。

MSP5A自体が40kHzの再生ということもあり、やや堅めのスピーカーという認識ではありましたが、従来のNS10Mに匹敵する中低音が再生される。自分の耳の高さを基準にするとウーハーのセンター位置(ツイーターとウーハーの中間ではなく)か、下側のエッジ部分あたりがちょうどいい感じです。

これは明らかにスピーカーのスイートスポットを外しています。確かにスイートスポットでの直接リスニングより中低音がはっきり出ており、一聴すると普通のオーディオで聞く音色に似ています。スイートスポットでは、もちろんMSP独特(決してNS10Mには似ていない)の堅くしまった低音、しかし上の帯域もはっきり出ている感じで中高音寄りの音です。

またオーディオの世界では、「スピーカーは極力浮かせた状態、エンクロージャーの接触面が小さいほど本来の仕事をする」といわれ、インシュレーターで浮かせているのを見かけるが、これは円錐型のとがった部分が上向き、下向きでも音は変わる。良いインシュレーターはその方向に指定があります。どちらでもよい場合は好みの方向にすればよく、その場合大半の人がやっているであろう、10円玉などの堅い素材の上に置くのは常套です。厳密にいうとこの素材(10円玉の場合は銅)でも音質は変わります。インシュレーターがその敷く素材よりも硬質な場合はスピーカーの重さと振動で穴があいてくる(めり込んでくる)ので注意したいところです。

話を戻して、この浮かせた状態でもやはり下側に低音が出ているのは変わらない。だから現在の自身のセッティングはイスに座った状態で耳の位置に対して若干高めでやや手前に傾けて調整しています。

 

モニターの癖を見抜く

ただし音源の音決めやEQ処理前はスイートスポットと下位置で確認をするようにしています。本来のニアフィールドの位置は前述のようにツイーターとウーハーの中間点に耳を持ってくる高さにするものですが、若干下の位置でリスニングすることで低音が、こもった低音か、締まった低音かがよくわかります。

EQで無理にブーストすると隠りがちで、CDに落としたときなど再生環境でかなり違った音になります。さらにMP3などの圧縮ファイルになるとそうしたよけいな成分は削られるので、スカスカした低音になりがちです。

ですので、こうしたモニターの癖は慣れていくしかないので、基本のリスニング位置を守った上で、環境を整えることも必要です。低音は、下方向に向かいますので、その癖を見越してセッティングするのも有りです。あとは書き出してみてどのくらい低音の出方が違うかを把握してみてください。