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DAWでの録音に関する前知識 ソフトシンセについて

2011年 03月 01日 01:15 | カテゴリー: DAW , Soft Synth
2011年 03月 01日 01:15
DAW , Soft Synth

最近のDAWには既にソフトウェアシンセが装備されています。ドラムやサンプラー系、エレピやオルガンに特化したもの、アナログなんかもありますね。今までのハードウェアシンセと違って、物理的MIDIケーブルによる結線から解放されて、DAW内だけで完結できるのは便利この上ありません。しかし、それなりのデメリットも多く存在します。

ここでは、ベーシックな話をします。覚えておいて損はない、また知っている方も改めて見直してみるのも良いでしょう。

 

ソフトウェアシンセのメリット

1)手に入りにくいヴィンテージキーボードが再現できる

Prophet5.jpg

機種はメジャーどころのシンセに限定されますが、Mini MoogやProphet 5、Hammond B3やメロトロン、Wave 2など今でも稀少とされるヴィンテージキーボードがソフトウェアで再現されています。もちろん、プレミア付きのものでは数百万、安いモノでも現物は30万前後とかなり高価である上に、そのメンテナンスの大変さと来たらたまったモノではありません。

Melotron.jpg

それがメンテナンスフリーでほとんどのアプリケーションが10万もしないとなるとヴィンテージキーボード好きにはたまりません。私もヴィンテージ好きなので何本か持っています。もちろん現物アナログの存在感に勝るものは無いのですが、個人ユースの場合、置き場所もお金もいくらあっても足りないので、もってこいです。

そして、その実物にあった制限を取り払い(最大同時発音数を増やしたり、モノシンセがポリで鳴らせるなど)、現代的な機能(実機にないエフェクトを内蔵したりなど)も盛り込まれています。
 

2)配線がない

当然と言えば当然ですが、DAW内ですむので物理的配線がありません。それでもトラックに読み込んだり、ソフトウェア内部での結線はあるんですけどね。
 

3)音色メモリー数に際限がない

ハードウェアシンセだと、ハードが持つメモリー数が限界ですが、ソフトウェアシンセは基本的に音色はファイルですので、HDDに空きがある限り音色は際限なく作れてメモリーできます。
 

4)パソコンがどんな音でも出せるようになる

ハードウェアシンセだと各メーカーごとに音の傾向を持っているモノですが、ソフトシンセさえ読んでしまえば、だいたいどんな音でも作れるし、バリエーションは豊富です。

 

ソフトウェアシンセのデメリット

1)CPUパワーを食う

コンピューターをシンセにしてしまうので、当然処理能力が求められます。特にDAW内ではDAW側の処理もあるので、ある程度のトラック数が必要な場合は、高性能なCPU、メモリー容量が求められます。
 

2)コントローラーがあった方がよい

もちろん鍵盤のことです。コンピューターのキーボード、マウスでもコントロールできますが、DAW上のデータは基本的にMIDIですので、MIDIキーボードがある方が打ち込みやすいわけです。
 

3)レイテンシーは避けられない

音を作るシンセサイズは高度な計算をリアルタイムにするために、その計算時間分だけレイテンシー(遅延時間)は避けられません。調整機能はありますが、0にはできません。
 

4)再生用にオーディオI/Fが必要

まあ、DAWをやるくらいなら1つは持っていると思います。オーディオ信号の入出力用には必要なモノなので、持っていないのなら揃えてください。マザーボード上のオーディオシステムはソフトシンセのまともな音が出せません。システムはそれなりに必要です。もちろんそれを動作させるためにドライバーなども必要ですので、完動させるための知識も必要になってきます。
 

5)シンセの系統によってパワーが違ってくる

基本的な2VCO、VCF、VCA、LFO位のアナログシンセがもっとも軽いソフトシンセです。次がサンプラー系ですが、これはサンプルを読むためのたくさんの物理メモリーが必要になります。しかし動作自体はADSRやFilterなどのコントロール系ですので、まだ軽い方です。次が波形合成系のベクターシンセシスタイプ、そして一番重たいのが物理モデリングのシンセです。使うシンセによってCPUパワーが格段に違ってきます。ハードウェアシンセはそのシンセが持つパワーは最大限に発揮できます。

ざっと書いてみるとこんなところです。まあ、根本的にはCPU性能に左右されるということです。

 

フリーウェアについて

Macにしてもないわけではないし、Windowsでは数多くのVSTi(VST Instrument)が出ていたりします。中には秀逸なのもあり、探しているだけで楽しいモノです。

しかし、フリーウェアというのはどの作者も書いていますが、基本的にサポートは作者自身だけで、使用はすべてのユーザーにゆだねられています。当然海外版も多いので英語の文章もたくさんあります。

はっきり言いますが、フリーウェアは自己責任で使うことになります。もし、使い方がわからないとか、英語を読めないなどの理由で人を頼るなら、ちゃんとお金払ってサポートを受けられるものを使ってください。自助努力もできない人がフリーを使うものではありません。フリーを使うならそれなりに勉強は必要です。動かなくなったとか、インストールしたのにDAW上に出てこないとかとか、リスクはつきものです。苦労もしないで覚えようとしても覚えられるモノではありません。

ギターだっていくら教えてもらっても自分でやらない限り腕は上がりません。レコーディングも同じです。正解がない世界なので、プロでもアマチュア並の人はいますし、アマチュアでもプロレベルの人はいます。みんなそれぞれに努力はしているモノですので、フリーを使う時は安易に人に頼らず自助努力を念頭に、自分自身で解決してください。

 

おすすめの環境

ご覧の通り、ソフトシンセはCPUに依存しますので、使用を最低限に抑えるのがうまい使い方とも言えます。また、DAWによってはフリーズトラックという仮想トラックを用いてCPU負荷を軽減する方法もあります。

データの打ち込み自体では代用の音色で打ち込むのも一つの手です。ですから、ソフトシンセの使用有無を問わず、ハード音源を1台は用意しておいた方がいいでしょう。できればマルチティンバーのもので、鍵盤付きのシンセがいいでしょう。または打ち込み用の鍵盤で最近は25鍵程度から88鍵まで選べるので、必要な鍵盤数でコントローラーを用意し、音源を別に用意するでもかまいません。

1台目に選ぶならPCM系のシンセが良いでしょう。とりあえず現存する楽器音の代表的なモノも揃っていますし、シンセ系も十分です。やる音楽ジャンルによってはつまみでぐりぐり動かせるアナログもどきのデジタルシンセ(最近の10万以下で買える安いモノでもFilter系のつまみはついています)が適しています。それなら61鍵の鍵盤もコントローラーとして使えます。

また、最近のモノならUSB接続によるMIDIインターフェースも内蔵しています。後はオーディオインターフェースです。マイク入力やギターなどを入力できますし、ソフトシンセの再生音もこれを通せば、いい音で再生できます。そしてそれらをすべて再生するパワードモニターがあれば完璧です。

音源が増えてくればミキサーもあった方が便利です。特にレイテンシーを気にする方は、ミキサーを使うことでゼロレイテンシーモニタリングが可能になります。オーディオインターフェースにもついている機能ですが、安いI/Fよりはミキサーの方が汎用性が高いです。