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DAWでの録音に関する前知識 プラグインエフェクトについて

2011年 03月 02日 00:41 | カテゴリー: DAW , Plug-in Effects
2011年 03月 02日 00:41
DAW , Plug-in Effects

こちらもソフトウェアシンセとかなりダブる部分は多いです。なので前回の記事「DAWでの録音に関する前知識 ソフトシンセについて」は読んでおいてください。

プラグインエフェクトはDAWに装備されたモノでもかなり強力なモノがあります。特にシリーズ化されたDAW、たとえばCubaseやSonerなどのようにレベルに合わせて廉価版から最高版まで選べるモノは、レベルが低いほどプラグインエフェクトやソフトシンセなどが減っていたりしますが、最高版ではプロでもそのまま使えるほどのクォリティを持ったエフェクトも多数あります。もちろん、高性能なものや、ヴィンテージのアウトボードを模したサードパーティ製やフリーウェアも存在します。

こうしたエフェクトを使って、特別なエフェクト処理をすることがオリジナル曲にさらなるオリジナリティを与えます。

 

一般的にプラグインによる掛け取りはしない

普通にDAW上にミキサー立ち上げて録音すると、当然エフェクトも何もかかっていないので素の音で録音されます。これに取った後でエフェクトをかけて音質を調整します。要はミキサー上でのモニタリングのみにかかるわけですから、録音する音まではかけられないんです。

極端な話をすれば、プラグインアンプシミュレーターで、音作りしてギターを弾いても録音すると生音しか録音されません。至極当然でモニタリングのルートにしかエフェクトがかからないからです。なぜこうなのかというと、録音されたトラックの音は生音で録っておけば、後でどうにでもエディットが可能だからです。また、信号ルートをきちんと変えてやると掛け取りも可能です。

しかし!しかしですよ。ギタリスト(他のプレーヤーもです)なら、自分の音で録音して欲しいモノで、しかもエディットなんて考えず弾ききってください。間違えたらもう一回弾くくらいの勢いが欲しいモノで、その姿勢はちゃんと作品に現れます。ソフトウェアのアンプシミュレーターはもっと別な使い方があります。まあ個人的感情はさておいといて...。

 

エフェクトの特性をつかむ

たとえばコンプと言っても、その動作原理がいくつもあります。VCA、真空管、フォトカプラーなどあり、音質、効き具合が違います。リバーブもただのリバーブからサンプリングリバーブまでその広がり感や密度が違います。

複数の同じエフェクトがあるならば、そうしたタイプ別のエフェクトが設定されていますので、いろいろ使ってみて癖を把握してください。録音する楽器によっても相性が変わります。

 

AUXトラックを有効に使う

ドラムの各パーツを納めたトラックをステレオバスでまとめることはよくやりますが、エフェクトの効果を統一するためにAUXにセンド送りしてリバーブをまとめがけというまとめ方もあります。それ以外にも、COMPのkey inを使ってベードラとベースの発音タイミングを合わせたり、ゲートリバーブの発音タイミングを合わせたり、ということもAUXトラックで、信号分岐しないとできないことです。

実際ハードウェアミキサーでもそうですが、ルーティングを変えて特殊なエフェクト効果を得ることはよくやる手です。バスやAUXの使い方でエフェクトは変わりますので、ルーティングはよく考えましょう。

 

音圧稼ぎは少し考える

最近のミックスは猫も杓子も音圧が高いです。しかし、これは考え物です。曲のダイナミクスが失われて、平坦になっていくことになるわけです。表現力も乏しくなるので、ロックでのごり押しならまだわかりますが、メタルでも海外の曲は音圧も稼ぎながらダイナミクスもちゃんとついています。どうにもならない場合は最終的にオートメーション頼りになります。プロならこのオートメーションに最終のマスタリングでカバーするのでもう少々の抑揚はつけられますが、基本的な楽器のダイナミクスは稼げないわけで、ミックスがものを言います。

だから、ジャズ/フュージョン系などのフレーズで抑揚をつけるタイプのプレイヤーはダイナミクスが無くなるのを嫌って音圧稼ぎはさほどしないモノです。

たとえば、ニコ動でもおなじみの「Only My Railgun」(変にこだわっているかなぁ...)はギターの音はスタート時の音量とエンド時の音量がおよそ倍ほど違います。もちろんコンプは使っています。かなりつぶしているのがわかりますが、それでも他の楽器とのバランスも含め、曲全体としてはスタートの音量からエンド時は約1.5倍で、この最後が最大音圧になっています。曲の途中で楽器を減らすアレンジで抑揚をつけていますし、最初から最後まで通して聞くと、だんだん音量が上がっているので、ダイナミックレンジが広いのがわかります。

一言で言うと「曲が盛り上がっている」わけで、それが聴者を引きつける強力な「かっこよさ」になるわけです。トータルコンプによる音圧稼ぎだけでは、こんな演出は到底不可能なんです。最初の出音の録り方も、アレンジも、オートメーションも重要な要素です。さらに楽器をどう聞かせるかをミックスでうまくまとめることで音圧は稼げます。

エフェクトに頼るだけが音圧稼ぎではありません。プラグインだけの音圧稼ぎは平坦で奥行き感もなくなるので曲がおもしろくなくなります。