Mix

DAWでの録音に関する前知識 大まかなミックス順

2011年 03月 04日 01:04 | カテゴリー: DAW , Mix
2011年 03月 04日 01:04
DAW , Mix

ミックスでは、各パートの音量、位置、エフェクトなどを調整します。これらの調整で曲の印象はずいぶん変わります。また、オーディオデータを切り貼りし、アレンジを変えることもあるでしょう。一番自由度の高いところで、正解というのがありませんので、いろいろと実験をして何事も試してみるのがいいでしょう。

また、各楽器の音質特性を生かしてバランスを取るための、エンジニアの耳が必要です。ですからミックスの違う腕のいいプロのミックスしたCDを研究したり、ジャンル違いの曲を聴いたり、いろいろなミックスを聞いて、耳を鍛えることが必要でしょう。

 

まずはざっくりと音量とパンを決める

Positioning.jpg

まずはマスターフェーダーを0dB位置(ノミナル位置と言います)に固定し、一番メインとなるトラックを一番大きくします。このときもノミナルを基本にします。歌入りの場合、ボーカルが一番大きくなります。レベルメーターを見ながら0dBを超えないように調整します。もしフェーダーを上げてノミナルに届かないようなら、レベルが足りませんのでノーマライズを使って波形レベルを上げます。

ノーマライズでレベルが上がらないのはどこかにクリップノイズ(そこの箇所だけ極端にレベルがあがるところ)などの理由があります。ピークサーチをかけて、どこにピークがあるかを調べ、波形を編集することで取り除きます。また、コンプなどでつぶす手もありますが、それは後述します。

メイントラックの音量が決まったら、それに合わせて他のトラックの音量を合わせていきます。と、同時にパン(左右の位置)も調整します。図のような定位表もあると、イメージがわかりやすくて便利です。だいたいのレベルとパンが決まったところでエフェクトをかけていきます。

 

エフェクトでもバランスは変わる

特に音圧やピークをいじるコンプやEQは、かけるとレベルが変わります。なので、先のざっくり音量を整えるところで、先にこれらをかけておくこともあると思います。わかっているトラックは先にかけておくことも「あり」です。

その他のゲインが変わる代表的なプラグインは、歪み系です。歪みを加えて、音を太くしたり、抜けをよくしたりします。歪ませると言うことは無理矢理ゲインを上げますので、当然ながらレベルが変わります。要調整ですね。

 

奥行きはリバーブで...なんだけど...

奥行きはリバーブでつけます。と言いきってはみたものの、やり方は千差万別で、その人なりのテクニックがあることも事実です。代表的には2つあり、直接インサートする場合と、AUXセンドで送る場合です。

直接インサートはダイレクトにかかりますので、残響がはっきりつきます。センドの場合は、いくつか意味があり、主に1)同じリバーブを他のトラックでも使うことで空間の残響が共有でき、一体感が出てきます。2)高演算するリバーブを複数使うとCPUパワーを食います。それをAUXセンドトラックに一つ使用し共有することで、CPUの負荷を軽減します。ストリングス(第1バイオリン、第2バイオリン、チェロ、コントラバス)とか、ドラムのように左右に広げて同じ奥行き感を出す時には、AUXセンド送りするのは常套手段です。

しかし、リバーブをかけてみると意外に奥行き感が出なくて、ただ残響だけがつくような感じになります。「奥に引っ込めたいのに...」と悩みますよね?これも実はボリュームが関係しています。トラックのボリュームとエフェクトのボリュームです。センドの送り量だけではないんです。これは詳細として別立てでご説明しますが、とりあえず、インサートではリバーブのエフェクトバランスでエフェクト量を調整しますが、AUXセンドではリバーブをWet100%にしなくてはDry音がダブるので効果が出ません。意外とこの設定を見過ごしがちです。注意してください。

その他にコンプで音圧稼ぎしていると音像は前に出てきます。コンプかけ過ぎでリバーブが効かない(正確には効いているように聞こえない)こともあるので、音圧稼ぎもそこそこに、です。

 

ボリュームの上げすぎに注意

よくやるんですが、メインパートを一番大きくするのは皆さんよく知っていますが、プレーヤーがミックスの現場に加わると、つい、自分のところは音量を上げたがります。特にソロ部分では顕著です。で、1つ大きくなると、他のプレーヤーも「それなら俺も」「あ、俺も俺も」とどんどんボリュームが上がってきます。しまいには、メインボーカルよりも大きくなり、ミックスはぐちゃぐちゃになります。

なので、プレーヤーさんが同席する場合は、要注意です。これはレコーディングスタジオでもよくあることで、エンジニアさんを困らせる要因の一つです。まあ、エンジニアさんには「その場では言われたとおりパートの音量を上げますが、後でこっそり戻す」なんて必殺技を持っていますが。

ちなみに、昔の話ですが、1970年代にブームだった某メーカー主催の音楽コンテストの最終戦「世界歌謡祭」では、PAのミックスで「バックはメインのボーカルの半分の音量で」と言われていたことがあります。極端ですが、このくらい考えていてもいいかもしれません。

それと「音圧稼ぎ」も、度を超えるとつまらない仕上げになります。曲のダイナミクスが失われますので注意事項です。