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DAWでの録音に関する前知識 デジタルデータについて

2011年 02月 24日 01:27 | カテゴリー: DAW
2011年 02月 24日 01:27
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もう既にデジタルでの録音はプロだけのものではありません。曲作りの環境もプロと同等になってきています。そこで今回は、DTM分野でもっともメジャーなDAWでの録音に関して説明したいのですが、その前に知識はあってしかるべきです。

ここではデジタルデータに関する基本的なことを前知識としてご説明します。

 

音を理解するにあたっての前知識

さて、周知の事実ですが、人間の耳が聞こえる音を周波数で示すと20Hz~20kHzと言われています。犬になるとさらに上の50kHzとか60kHz、コウモリになると100kHz以上、さらにイルカはもっと上と言われます。こうした聞こえる音を周波数表示したモノを「可聴帯域」といい、自然界にある音というのは人間が聞こえる以上の周波数も存在します。

人間は20kHzより上の音は聞こえないにしても、不思議と感じることはできます。たとえば、昨今のパソコン録音用に使うオーディオインターフェースでは96kHzに対応しているモノが多いわけですが、それを使ってCDと同じサンプリング周波数44.1kHzと倍の88.2kHzで録音したサウンドを聞き比べると88.2kHzの方が硬質に聞こえます。これを人によっては「線が細い(CDのほうが太い)」とか、「繊細に聞こえる」、「奥行き感がある」など、様々に感じます。

もっと身近なところで言い換えると、iPodに代表されるMP3プレーヤーなどで扱われるMP3フォーマットでは、音質(正確には音質ではなく転送レート)を128bpsにしたファイルと192bpsにしたファイルを聞き比べた場合に同様の事が起きます。

簡単に言いますと、MP3フォーマットはマスキング技術を応用し、元々持っているデータの可聴に値しない部分を間引くことで圧縮を行っています。このため書き出し時に設定した128kbpsなど、転送レートが低くなると高域が劣化して音がこもってきます。これはMP3フォーマットの高域特性が圧縮後、およそ160bpsあたりで再生周波数の15~16kHzあたりでマスキングがかかり、それ以下ではどんどん再生周波数が削られていくことが原因です。

こうした再生のための原音を保たない音声を聞くことを続けると、本来の原音と聞き分けることが苦手になって、それに慣れていきます(簡単に言うと耳が悪くなってきます)。ましてや、人間は年を取るごとに聴力は落ちていきます。なので私は未だにiPodなどのMP3プレーヤーは買ったことがありません(かなり否定派です)。聞くのはなるべくCD、どうしてもMP3を使わなくてはならないときは最低で可聴帯域16kHzは維持できる192bps以上をベースにします。または可聴帯域20kHz(CDと同じ)をおよそ維持できるAACフォーマットを使用します。

さて、その聞こえないはずの周波数帯が感じることができるのは、人間の五感の不思議たる所以で科学的に証明されているわけでもありません。いや、されていますね、簡単に言うと音は空気振動ですから、どんな高周波数帯でも振動はあるわけで、耳で捕らえられなくても肌が感じるというわけです。見えないけど風は感じることができると同じことです。

そして自然界の音はすべてアナログで、もっとも原音たるモノです。これを100%忠実に再現するデジタルデータというのは存在しません。必ず欠損が生じるからです。デジタルデータをより原音に近づけるために必要なことはサンプリング周波数と分解能を上げることです。

 

サンプリング周波数が可聴帯域の倍である理由

圧縮ファイル(MP3やAACなど)はさておき、再生可聴帯域とサンプリング周波数はおよそ倍ほど値が違います。これは原音をデジタルデータ化するにあたって1秒をどれだけに分けるかという量子化(点としてとらえること)が行われます。量子化されたデータを元の波形(線)に近づけるために点を集合体にします。線は点の集まりですからここで元の波形が再現されるわけです。これを標本化(サンプリング)といい、このときの周波数は再生周波数の倍を必要とします。

なぜ倍必要かというと、復元時にエイリアス(雑音)が発生して歪みとなるため、あらかじめ帯域を制限するフィルターが標本化の前段に組まれるためです。この帯域制限が1/2であることから、信号をフィルターに突っ込む前に2倍(以上)にしておくことで、最終的に原音(のニュアンス)に落ち着きます。

先に説明した感じる部分の音、20kHz以上の音は「奥行き感」とか「繊細さ」として感じるので、音楽にとって必要不可欠な部分でもあります。これが高ければ高いほど原音に近づくと言うことです。

 

分解能とサンプリング周波数の関係

デジタルデータを作成する(録音や変換を含める)場合には、サンプリング周波数が高いほどよく、分割のための分解能も同じです。サンプリング周波数は先ほど1秒間をどれだけに分けるかという事で、グラフにすると横軸で考えた方がよいでしょう。

対して分解能とは、通常ビット数で表され、グラフ上では縦軸を意味します。そしてサンプリング周波数の横軸と掛け合わせてできた升目が細かいほど、サウンド波形の再現性は高くなります。

なので、ハイビット、ハイサンプリングが原音に忠実と言われるのはこのためです。