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DAWでの録音に関する前知識 データ量の把握

2011年 02月 25日 02:26 | カテゴリー: DAW
2011年 02月 25日 02:26
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その1では本当に知識ベースでしたが、こちらでは、もっと現実的な話をしましょう。

 

データ容量を把握する

当然、上になるほどデータ量が増えるので、録音においてはハーディスクの容量も必要です。一般的にCDの16ビット/44.1kHzでステレオ(2ch)で5分録音されるとデータは約10MBになります。これが24ビット/88.2kHzだと、1.5倍/2倍ですから合計3倍で、約30MBになります。24ビット/96kHzは1.5倍/およそ2.2倍で、約33MBとなります。

もちろん5分以上の録音や、トラック数が増えればより容量は必要になります。そして負荷も大きくなるので、より早い転送レートを持ったHDDが必要です。

あらかじめ処理も考えて、最低限その曲データが必要とする2~3倍の空き容量で、連続して書き込める領域を作っておくのがよいでしょう。

 

OSディスクの空き容量

完全に音楽専用パソコンとしている方は、プロでも無い限り、無いと仮定して、一般的にはワープロや表計算、デザイン系のアプリなど、他のアプリケーションも使える共用パソコンでしょう。当然、アプリをインストールすると普通はOSが入っているディスクと同じ場所に入ります。

今のアプリケーションは非常に高性能な分、メモリーも食いますので、実メモリーでは足りなくなってしまいます。それを仮想記憶として、裏(見えないところ)でメモリーエリアを拡大し、データ処理をするわけです。

たとえばAdobe IllustratorやPhotoshopでは、その仮想記憶容量、メモリーするためのHDD場所をユーザーが任意に設定できるようになっています。Officeソフトも裏で仮想記憶使っているので、勝手に強制終了しても、次に立ち上げたときに復活できるようなコマンドが環境設定にあります。これはDAWも同じで、Photoshopクラスのデータ量を扱うので、至極当たり前と言えば当たり前なのですが、見えないので知らない方も多いでしょう。

裏で仮想記憶が動くというのはOSディスクを使用することがほとんどです。一番わかりやすいのは、フリーズトラック(ソフトシンセなどをリアルタイムで処理させないで、仮の実データ化をして、CPU負荷を防ぐための機能)は、実データ化する際に、仮想エリアにOSディスクを指定しています。ですから、OSディスクにはある程度の空き領域が必要です。どんなパソコンもそうですが、最低限2割の空き領域が必要と言われています。音楽やるなら最低3割は空けておきましょう。

また、Macですと「空き領域の消去」と言うコマンドが用意されたディスクユーティリティが付属しています。これは、その仮想記憶を使うと不可視ファイルがいつまでも残ってHDDを圧迫してしまうのです。実データは書き込みできるので、普段使う分にはたいした意味はないのですが、仮想記憶が多くなると、その不可視ファイル自体がフラグメンテーション(データの不連続化)が起こり、HDDのパフォーマンスが落ちてきます。定期的にとは言いませんが「最近なんか遅いな」と感じたら、ツールでフラグメンテーションを取るのもいいですが、OS Xでは実データに対してのフラグメンテーションは必要ないので、この「空き領域の消去」をかけておくといいでしょう。ただし、くれぐれも間違って「消去」しないでください。フォーマットされるので全データ消去され、OSからすべて入れ直し、データもなくなります。

昔は私もOS Xでも別売のユーティリティでフラグメンテーション取っていましたが、どうもデータの並び方が変わるらしく、アクセスが遅くなったので、再インストールしてその後はフラグメンテーションを取ることはしていません。ユーティリティほどでは無いようですが自動で並べ替えをしているようです(真偽はわかりませんが)。

Windowsでも仮想記憶の不可視ファイルについては同じことが言えるので、そんなツールがあればいいのですが、知らないので知っている方がいれば教えて欲しいです。ハードに1年も使うとOSディスクごとフォーマットして再インストールしてしまうので、結構面倒ですよね。2011年1月末にやったのですが、速さを取り戻しました。

 

ハイビット・ハイサンプリングのセレクト

ハイビット・ハイサンプリングの方が音がいいことは説明しましたが、本当にそこまで必要かどうかを考えたことはありますか?

DVDオーディオやSACD(スーパーオーディオCD)でもない限り、未だに普通のCDはリニアPCMの16ビット/44.1kHzです。自分で作曲する方ならわかるでしょうが、CDを作って配るときなどはどんなにハイビット・ハイサンプリングで録っても、「ダウンコンバートしなくてはならない」事実があります。そしてさらにMP3にしようものなら、データはどんどん失われていくんです。いまや、DAT(デジタルオーディオテープ)もなくなり、48kHzも廃れてきています。

プロの中には、CD化を考えて24ビット/88.2kHzで録る方が増えてきています。これは理にかなっていて、ほとんどの人は16ビットと24ビットの差はあまり聞き分けができないと言われています。しかしサンプリング周波数は不思議と88.2kHzと96kHzで聞き分けができるんです。プロ用のモニターで聞くとよくわかります。

しかし、最終形態であるのがCDであるならば、ダウンコンバートの際に整数比の方が割り切れますよね?つまり、欠損データが完全に半分ですむわけです。しかし96kHzの場合は割り切れない数字が出てきてその部分がゆがみを生じると言うことなんですが、確かに頭で考えるとそうですね。落としたのを聞いてみると、正直「何となく」違うくらいで、ブラインドで聞いたらわからない方が普通でしょう。

私の場合は、現在調子の悪い初代MOTU 828(最大24ビット/48kHz)とPod X3(最大24ビット/96kHz)、VOX Tone Lab ST(最大24ビット/44.1kHz)しかありませんが、録るときはいつもどれも16ビット/44.1kHzにしています。最大でも24ビットにするくらい。MOTUが使える調子いいときは、いつも使います。なんか音が太くて良いのです。1回PODで24ビット/96kHzで録ってみたのですが、細いんです。レンジが上まで出ているので繊細なのはわかるのですが、落とすと気持ち心許ないです。で、828と同じ16ビット/44.1kHz(USBダイレクト)で録ってみると確かに828の方が太いわけです。MOTUのAD/DAが好みなんですね、きっと。

もちろんAD/DAが重要なのですが、それ以降ハイビット・ハイサンプリングで録ることは無いです。Pro Toolsも試しましたが、やっぱり好きになれないです。ハイビット・ハイサンプリングでもです。実際に聞くレベルで録った方が、リバーブなどもそのままなのでそっちがいいなと思っています。どうも「落とす」ことが嫌みたいです>自分。

とはいっても、おすすめだけ書いておきます。1)24ビット/44.1kHz、2)24ビット/88.2kHz、3)16ビット/44.1kHzです。まあ、24ビット/96kHzはいらないですね、個人的には。まあ、Pro Tools HDなら違うのですが、個人ユースのCPUベースのDAWなら、負荷も考えてこのどれかです。