Soft Synth

はじめてボカロ使ってみた

2010年 11月 11日 01:53 | カテゴリー: Soft Synth
2010年 11月 11日 01:53
Soft Synth

う~ん、どうもオーバーロードが多く、やる気がそがれてしまうので、合間を縫って書いてみた。

買ってからしば~~らく(1年以上)何にも触ってなかった(インストールしただけ)ボカロ。ニコ動見ててもミクばっかりでしばし閉口気味だったけど、今回せっかくなので使ってみることにした。本家のミク、リン/レン、ルカ、分家の親戚縁者ともにそれぞれの歌い方の癖もあり、それなりに調教が必要なのは知っている。果たしてそんなテクも必要なボカロを初めて使ってみるわけだが、果たして...?!

 

自分の中での簡単な歴史

ドイツでの楽器国際見本市(MESSE)でヤマハが世界初のお披露目をしたときに仕事で現場にいた。ボカロ1英語製品化前のこと。

「これでDTMの世界が変わる」と思った。1の英語を聞いて「行ける!」と思い、日本語対応を待った。発売後そのときは1があまりコントロールが利かないことで見送っていた。そして2になりミクの登場。

世の中の盛り上がりに、仕事の忙しさからついて行けず、横目で見ながらニコ動をリスニング。名Pが誕生し、名曲に彩られていく中、リン/レン、ルカなど弟姉妹の登場。さらに親戚、縁者の登場も手伝い、1世代を築くまでになったよう。

発表時から約10年。いまや海外でも英語ボカロに追いかけミクが売れ始めているという逆転現象も起こっているらしい(言語はどうなのだろう?という疑問はさておき...キャラクターが受けているらしい)。DTMの世界ではまだまだ発展途上でこれからも期待される。

 

所感

luka.jpg

最初にこの後の文章には「曲によるだろうけど、」という接頭語を付けて読んで欲しい。今はとりあえず、後で発表のSound Making用のサンプルデータだけでの所感なので、各方面の有名Pのような説明はできないと思います。今回はこれから始める人の参考にはならないかもしれません。

使っているのは「巡音ルカ」。最初だからミクにしようかとも思ったけど、カタカナ英語も多い昨今の歌詞に対応すべく「ルカ」を選択。とりあえず寝る前に取説読んでだいたいは頭に入った。

実際に打ってみるとボカロエディター上でのベタ打ちでは表現力に乏しい。これは当たり前にボカロPたちにも言われてきたこと。調教はもちろん必要なのだけれど、普通にDAW上でMIDIで打ち込み、ベロシティのみで強弱を付け、読み込んでみると、ベタ打ちよりも意外とまとも。

人間の癖(イントネーションやメロディの高低によるアクセントなど)を意識してベロシティを付けるとほどよい感じ。さらに意識すべきは「休符」。各音節をレガートではなく、発音通りのデュレーションをキープすることで滑舌良く感じる。この辺はDAW上でのMIDIでクォンタイズなし(または1/64以上の細かい分解能)で打った方がニュアンスがよい。読むときは自動クォンタイズでもないようなのでそのまま読んでくれた。その上でクォンタイズをオフにして、あとは音価の重なりに注意してエディットすると良い。

boakro.jpg

また、表情コントロールのピッチベンドとダイナミクス調整も入れっぱなしにしない方が良さそう。つながる言葉、メロディの高低を歌い手同様にフレーズごとに設定すると、これもほどよく仕上がる。

こうしてみると自動機能は全て切って、音節ごと、フレーズごとなど人間の癖同様の事をすると意外と簡単にそれっぽいモノが作れそうな予感がする。とは言ってもボカロを知っている人なら普通である、声の平坦さは隠しきれないところで、人間のようにはいかない。でも、「人の癖」の表現をつかむと1つ1つの音価ののつなげ方がよくわかる。

 

人間の癖とは?

onpu.jpg

それは「言葉」と「フレーズ(文章)」、そして「音のフレーズ(高低のつながり)」で、これらがわかれば歌声パラメーターであれこれと触っては失敗し、何度もやり直すようなことはないようにに思う。歌い方が自然になるので、音価に設定されるピッチベンド、ダイナミクスだけで、ボカロなりの聞きやすさに仕上げることが可能になりそうだ。

ビブラートも、意外とやっかい。「人間の癖」はどんな部分の音価でも揺れているので、そのほとんどにビブラートがかかると言ってもいい。

viblate.jpg

しかし、ボカロではそれをうまく使い分けることが、自然さを生み出す。とは言ってもビブラートをかけない音価の方が少ないわけで、短い音価や低い音程の音価以外は入れた方が自然になる。もちろん、深さ、早さ、振幅、長さは人間でもバラバラだからそれなりの調整は必要。また、うまいボーカリストは音を伸ばす部分でも意外とタイミングが早く、デフォルトでは遅いように感じる。しかも、フレーズによってはビブラートの始まるタイミングをコントロールできるモノなので、デフォルト1発では単調になるだけだ。

ピッチベンドも音程差が大きい場合は、後ろの音がやや遅れるのでディケイで調整が必要。後ろの音の立ち上がりを早くする。このとき、前の音符がレガートの場合と切れている場合で、後ろの音の立ち上がりが変わるので注意したい。

 

調教について

上記のように、パラメーターがたくさんあるんだけど、もちろん今回はコピーということもあり、歌い手さんも特長ある人でやりやすく、まあこのイントロで約3時間というところ。初めてなので試行錯誤の時間が多かった。だから実際はMIDIを読み込んでから約1時間くらいの調整で、このくらい。まあPではないので、このくらいで良しとしよう(最低レベルとして)。

hyoujyou.jpg

ごく一部で「ブライトネス」や「クリアネス」は使っているものの、基本は音価だけ(ピッチベンドとディケイ、アクセント、ビブラート)のエディットで、これだけ仕上がるとは思っていなかった。

このレベルに到達するのはもっと時間かけないと無理とも思っていたから、意外と使いやすいことがわかったのは収穫ありというところ。いずれは、Sound Magician IIでも取り上げなくてはならない課題だったので、やってみて良かった。

また、先人ボカロP達のHPなどを見てもアプローチがちょっと違う(ボーカル視点重視)ので、やり方は同じとしても、ボーカルを知ればこんな感じですよって講座も期待していて欲しい。ファルセットも出せないのでそれっぽくシミュレートするしかない。そんな感じのポイントもいくつか見えてきた。

調教テクはまだまだツッコミどころがありそう。実際にオリジナルで1曲書けば見えてくるだろう。なんにせよ、やり始めるとこりゃハマるように思います。でも、たとえば「○○さんの感じで」というように元になる人の癖を研究すれば、使えそうなパラメーターになっているところはすごいと思う。このボカロならではの「平坦さ(良い意味で)」で、仮歌には使えそうだし、ニコ動みたいなところではメインでもおかしくないわけだし。バリエーションが欲しいけど、ミクアペンドなんかも出てきているし、まだまだおもしろくなりそうな世界観はあると思う。

 

今後のボカロに向けて

とりあえずバージョンアップに期待は、声のバリエーションは各地で盛り上がっているとおりだが、基本的なことをちゃんとして欲しい。
 

1)トランスポートのショートカット

今回一番手間になったのがこれ。好きなところに飛ぶための「ポジション指定移動」ができるようになって欲しい。DAWではおなじみだけど、マーカーだと打つのが面倒だし、マーカーウィンドウ出してもクリックでそこに飛ばない。+/-キーで1小節ずつの移動は正直使えない。Logic、DP、Cubaseなどと同じように、キーを一つ押して別窓を出し(出さなくてもトランスポート部が入力可能になればよい)、小節、拍などを指定し、Enterでそこに飛べるようになって欲しい。
 

2)歌手エディターとVocaloidエディターの同時立ち上げ

なぜ、1回にどちらかしか立ち上がらない?いちいち終了を繰り返していたら、何をどこまでやったか、忘れてしまう。聴きながら調整し、セーブできないのがまったくだめ。
 

3)せめてオーディオ2トラック(Stereo)は読み込んで欲しい。

バックの音楽がないときつい。それを開発したユーザーもいると聞くが、デフォルトでないとだめだろう。オリジナル曲ではタイミングも計りにくい。

この3つは昨今のDAWなら廉価版でもできる基本的機能。この辺の音楽的でない部分は、改良して欲しいところだ。