ソリッドステートアンプ

ソリッドステートアンプの音質

2011年 04月 04日 01:22 | カテゴリー: ソリッドステートアンプ
2011年 04月 04日 01:22
ソリッドステートアンプ

ソリッドステートアンプ(俗にトランジスタアンプとも言う)は、もう皆さんもご存じ世界的な代表格でRoland JC-120がありますね。1974年からずっと生産が続いている世界的にも類を見ない超ロングランアンプです。まあ、時代と共に多少の仕様変更はありましたが、基本的な音質は変わっていません。その音質はクリアで歪み無い、いわゆるクリーンアンプの名を欲しいままにしています。

クリーンが得意なソリッドステートアンプについて語っていきましょう。

 

アンプの動作原理

よくアンプの回路の呼び方でClass AとかClass A/B、Class Dとかあります。たとえば真空管アンプでは大体30Wクラスまでの上級アンプでClass Aを謳っているものは結構あります。MatshlessやVOX AC30などはその代表と言えます。

Class A動作とは、簡単に言うと1つの増幅器だけで出力をまかなう動作です。そのため、その増幅器以上の出力は出せません。また、完全動作させるために相当の電力量が必要になり、発熱が多くなります。その代わり、全部の出力がまんべんなく出力されるので、音が良いとされています。だから昔のアンプ(特にオーディオ分野では)は、重いほど音が良いとされたのはこの増幅器が出力を稼ぐのに大きい増幅器が必要だったからに他なりません。小出力で大電流が必要、その代わり音はリニアに良いというのが特長です。

対してClass B動作というのがあります。これはClass Aをもっと効率よくと考案された動作で、大出力、小発熱(小電流)が特長です。しかし、動作させるには2個の増幅器が必要で、それぞれを組み合わせると、大きな歪みが生じます。この歪みというのは、原音がきれいに再生されないことを意味します。この解決方法はプッシュプルという方式で一応の解決はあります。しかし先ほどのように増幅器を2個ペアで必要としますので、大型化は免れません。

そして、PAや楽器宇用のアンプではClass A/Bと言うのが一般的に使用されます。これは名前の通り、Class AとClass Bのいいとこ取りしたアンプで、Class Aの高音質とClass Bの高効率で大出力が可能という欲張りなものです。

出力の単純比較をしてみましょう。Class Aで30Wのアンプを元に、同じ規模の増幅器でClass Bを作った場合はおよそ4倍の120Wの出力ができます。これをClass A/Bで作るとおよそ2倍の60Wになります。さらにClass Bよりも高音質になります(これは回路にもよるので一概にClass Bの音が悪いというわけではなく、Class BでもHi-fiと呼ばれるアンプはあります)。

もし出力を固定したらどうでしょう。個体の大きさと音質に変化が出ます。Class BはClass Aより増幅器は小さくてもペアで使う分、スペースが必要になります(言ってみれば、Class Aとさほど変わらなくなってくる)。ただ発熱は抑えられる個体ができます。音質の点ではClass Aには劣ります。Class A/Bを使うと結構個体は小さくできますし、発熱はClass Aよりも抑えられ、音質もClass Aに近い音質となります。

 

ギターアンプでは

Class AまたはClass A/Bがほとんどです(全部と言っても良いかもしれませんが、全部調べたわけでもないし、もしあったら困るので「ほとんど」としておきます)。

そして、ほとんどの方の1台目に選ぶアンプというのは、たぶんコンボタイプが多いと思います。いきなりヘッドとキャビを揃える人は、ごくまれでしょうから。であれば、最大でも出力は100WくらいなのでClass A/Bタイプになります。

今、ソリッドステートアンプを書いているので真空管は除外しますが、ソリッドステートアンプは、割と小型軽量です。ですので、試奏の際にはまずはクリーンの音から聞いてください。オールソリッドならEQはすべて「5」のフラット状態から、試します。これでギターがシングルだとわかりやすいのですが(ストラトならミッド)、ハムバッカーならフロントで(ソリッドギターにしてください)、基本は自分の持っているギターに近いもので試奏します。

フラット状態で、ギターを弾いて弦の音だけしかしないようであればOK。PUをストラトならミッド、レスポールならフロントにしてギターの個性が出るようなアンプは結構扱いにくいアンプです。

次に、Bass=4~6(カッティングなら4、ロックなら6)、Middle=9、Treble=7で試して、6弦から1弦までアルペジオのように弾いて、きれいにまんべんなく鳴るようならOK。特に高音側がきれいに出るかどうかを気にしてください。そして6弦がブーミーになっていないで、クリアになるかどうかです。

これでいい音が出ているオールソリッドステートなら、すごく素直なアンプと言えます。エフェクト乗りも良いでしょう。このままアンプのボリュームを上げれば、その音質のまま鳴ってくれます。

ちなみにJC-120ならこの通りのセッティングでいけます。

ソリッドステートのクリアさは、真空管アンプとは違ったレンジの広さを持っています。どちらかというとPAに近いようなレンジです。しかし突っこむのはギターなためと、スピーカーがギター用なため、上の帯域はおよそ出ても5~8kHzくらいの実音です。一般的な真空管アンプ用のスピーカーでは大体上が5kHzほどですから、クリアさが出るのも当たり前と言えば当たり前です。さらに歪ませないことできれいに出る倍音が豊かさを感じさせますので、実際のアンプセッティングは真空管アンプとも変わらないようになると思います。

もちろん、クリアさを強調するのにTrebleを上がるとかはありです。Midを抜くのも良いです。要はClass A/Bの本当の良さを引き出せるのは、実はソリッドステートアンプなのです。