ソリッドステートアンプ

全く無意味なJCフラット論争

2011年 04月 06日 01:25 | カテゴリー: ソリッドステートアンプ
2011年 04月 06日 01:25
ソリッドステートアンプ

ギターアンプにフラットなトーンはあり得ません

これですね、トーンのBass、Middle、Trebleをすべて5にしたところで、フラットにはならないんです。PODのところでずいぶんと言いましたが、基本ギターアンプは中域が削られているので、Middleを上げないとフラットにはなりません。これはJCでも同じです。ただ、ソリッドステートの特性から言っても、真空管アンプほどの差があるわけではありません。

一番差がある(中域が削られている)のは、たぶん昔のFenderアンプです。そして削られながらも一番削られていないのがこのJCです。なぜ中域を削るのかは、ギターそのものが中域を占める楽器であるために、オーディオのトーンを得るがごとくの設定であると言えます。黎明期のギターアンプというのは、それこそ参考にできる音はレコードしか無く、それに近づける音質を得ようとして設計されたもので、さらに言うならば、小型だったため極端なディップで中域を落とさないとレンジを広く感じさせることはできないわけです。

そうしてアンプの音質も成熟し、様々な色づけがされたアンプが出てきたものの、その思想は変わらずで、中域の強いギターは再生するアンプで中域を抜くことでプラスマイナスで、フラットにするように設計されたわけです。

まあ昨今は録音機材も、楽器も、曲そのものも様変わりし、ギターらしい音が望まれ、中域の強いアンプが占めてくるようになりましたが、JCが発売された1974年当時と言うことを考えると、ソリッドステートがまだ目新しい時代で、ピュアオーディオ(特にCDなんてまだ出ていません)のようにフラットにすることが、目標とされていた時代です。真空管のように暖かみあるトーンとは反するソリッドステートは、冷たい音と言われながらも、製造工程からすると世の中では受け入れられていく存在でした。しかも、完全ギター専用に作るわけでもなく、キーボード使用まで考えるには、あまりに中域が強いのは癖となるため、聴感上で削らなくてはどうしようもありません。だから、JCのトーンを全部「5」に揃えたからと言って、音質的にフラットになることはあり得ないのです。

しかも、JCのトーンは基本的にハイカット(Bass)、ローカット(High)、ブースト/カットのシェルビング(Middle)です。と言うことは、どんなことをやってもどこかに必ずディップができ、全くのフラットにはならないわけです。

そして全く公表されていないスピーカーの仕様ですが、基本的には楽器用で上は削られていてギターの帯域に収まる再生周波数を持ったスピーカーが使われているはずです。しかし、キーボードのことも考えるともう少し上まで出ていると思います。でもフルレンジのスピーカーなら値段が上がるはずですから、楽器用としても、このスピーカー自体にもクリアである理由があるのです。

 

それよりも録音時のマイクセッティングの方が重要かも

これJCのChorusをオンにする場合のことですので、しない方はスルーしてください。ですが、CE-1でも同じことは言えます。

JCが世界的にヒットした理由の一つにChorusがあります。Roland自身、「独自の空間合成方式」と呼んで、その広がり感、浮遊感は他に類を見ないものでした。JCはパラメーターが固定とはいえ、搭載された2つのスピーカーだけで、つまり1台のアンプだけでそれを実現しています。

そして2つのスピーカーのうち、片方がドライ音、もう片方がエフェクト音で、それぞれのスピーカーがドライブし、その再生音がぶつかるくらいの距離で独自の揺れを醸し出します。

もうお気づきでしょう。録音時にJCにマイクを立てるときにChorusがオンの場合、どこにマイクを置くかが問題になります。JCのChorus音を含めた場合、余すところ無く録音するには4本のマイクが必要だそうです。

1本はドライ音のスピーカーに向けてのオンマイク、1本はエフェクト音のスピーカーに向けてのオンマイク(ここまではわかる)、さらにドラムと同じようにアンビエンスをステレオで録るための2本のマイクです。

これ、レコーディングエンジニアでもそう知っている人はいないでしょう。本当に古くからやっている熟達したプロエンジニアから聞いていた話です。

しかもアンビエンスマイクの置き方に特長があり、普通は左右から狙って広がり感をつけるものですが、アンプのセンター(2本のスピーカーのちょうど真ん中)にマイクをクロスさせて右マイクは左スピーカーに向けて、左マイクは右スピーカーに向けるんです。実際は左右のマイクと言っても位置と高さは同じで、今の技術なら、ダミーヘッドマイクのような1点で左右を録るようなセッティングが良いというんです。

ただ、頭で考えても、最低2本(ドライ音とエフェクト音)の両方を録るのはわかります。あとはトラックのパンの設定で空間合成はできるからです。アンビエンスに関しては、その人の話だけで実際には見たことが無く、まあドラムを考えてもアンビエンスを録って実音と混ぜるのは常套手段なのでありかと思います。ただ、マイクの置き方はどんなものかと個人的には思っています。

確かに「余すことなく」と言う条件では、聞いている人の耳が必要だからダミーヘッドを置くなら効果はあるでしょうが、1点からX字に2方向というのは、当時それしかできなかったことはあります(ダミーヘッドなんて普通のレコスタにはありませんでした)。でも2本のマイクを頭の幅だけ離しても同じような気がします(ちょっと効果が違うんですけど)し、最近のフィールドレコーダーでもそうしたマイクの配置(X-Y型)はあるので、やっぱり有りかな?とも思いますし、こればっかりはやってみないとわかりません。

まああくまでもJC内蔵コーラスを使う時の話です。使わなければ、普通に1本で良いわけです。