アンプシミュレーター

アンプシミュレーターのアンプ接続についての総まとめ

2011年 03月 12日 01:04 | カテゴリー: アンプシミュレーター
2011年 03月 12日 01:04
アンプシミュレーター

デジタルでの再現性

素子レベルのモデリングでは、その開発するベースコンピュータのCPUパワー、メモリなどでほとんどの素子、回路、コントロール、動作は再現が可能です。そして現実逃避するくらいのハイビット、ハイサンプリングなら限りなく100%に近いところまで再現できるでしょう。

そこまでこだわるなら、プレミア品でない限り本物買った方が安くすみます。また、作る方もコストがかかりすぎて売り物になりません(笑)。それを、サウンド作りに影響がないように現実的な回路まで、データを落とし込みます。さらに複数のモデリングを可能にするために共用のコントロールまで落とし込みます。

モデリングの良いところは、手に入りにくいヴィンテージ品を再現できることにあると思っています。ヴィンテージアンプなどはやはりその業界において会社規模の方が、より程度の良いものが手に入りやすいわけです。Boss、Line 6、VOXといったモデリングを得意とするメーカーは、そうして程度のいいアンプにこだわっているわけです。そうしてできた製品は、売るためにコストを抑え、さらに大量生産へとなります。言い換えると、より程度のいいヴィンテージアンプが廉価で手に入るわけです。

 

パワーアンプがないのはなぜ?

一言で言うとアンプになってしまうからです。アンプを、しかもスピーカーまで含めてモデリングしているのに、さらにアンプを通すと、そのアンプの個性が出てきます。もちろんその味付けはアンプ側のプリ部が主な原因です。パワー部も2~3割くらいは影響します。アンプによっては5割以上とも言えるでしょう。

パワー部は基本的に微弱な信号を聞こえるレベルまで増幅します。その後にスピーカーをつなげることで音になります。もちろん、スピーカー自体も音を持っています。PA用と楽器用では再生レンジが違うことは周知の事実です。

ではアンプシミュレーターにとって一番最適な再生装置は?と聞かれると、ピュアオーディオにつきるはずです。しかし、ピュアオーディオには、最終形態のCDになる前の音の処理、つまりレコーディングがあります。レコーディングもピュアオーディオ同様にレンジの広さが求められるので、レンジとしては申し分ありません。しかし、ピュアオーディオでは音源にマスタリングという技術で音が平坦化しており、飛び抜けたアタックやクリックノイズはありません。

こうしたマスタリング前のダイレクトな楽器のサウンドはピュアオーディオでは耐えることができないため、一番最適なのはレコーディングと言うことになります。マイクや部屋の空気感まで取り込んだモデリングは、マイクのセッティングとか、実際の音量に対する音圧とか、余計なことを考えず手間のかかるセッティングとは無縁のところで、Lineという誰でも安定した音が録れるようになったわけです。

こう考えると、アンプ接続は前述の開発者が言う「味付けのない素直な増幅装置」、つまり、PA用の広レンジのパワーアンプと、広レンジで、ギターアンプの再生能力を上回る性能を持つスピーカーがベストな組み合わせです。

ギターアンプのパワー部はギター再生用のレンジに限定され、さらにスピーカーでも同じようにレンジが限定されます。これが開発者の意図とはかけ離れる理由であり、私が勧めない理由でもあります。

お手持ちなら、一度ストレートに2way以上のニアフィールドモニター(オーディオ用ではなく、レコーディングモニターです)に入れてみてください。本当に実機アンプに近いモデリングの音を聞くことができます。どのアンプモデルも、スピーカーの空気感も良くできてますから。小型アンプに突っこんだときよりやギターのパワーアンプに突っこんだときよりも、格段にレンジの広さを実感するでしょう。

ついでに言っておくとSound Makingパートは、すべてレコーディング用のニアフィールドモニターで音作りをしています。私の使用しているモニターはYAMAHA MSP-5Aです。ミキサー(もちろんEQ類はフラット)を介していますが、POD X3やTone Lab STは実にいい空気感、臨場感を持ったサウンドが鳴ると思います。

 

実際の接続では

POD X3にはパワーアンプ接続用の機能で、キャビネット/空気感を切る機能がありますが、これを使うのはギターアンプへパワー差しするときだけにしてください。PA用のパワーには決してこの機能を使わないようにして、通常のLine OutであるStudio Mixで出力します。出力レベルもアンプに見合った出力端子を使うことで、合わせてください(詳しくは「POD X3 音作りのヒント その8 アンプ接続」の記事をご覧ください。下の方に出力端子について書いてあります)。

また、Podのエフェクトの補足ですが、デフォルトでPostに設定されたモジュレーション/空間系のエフェクトはオン/オフがあるなら、Preに切り換えて音作りすることです。各エフェクト(特に空間系)にはエフェクトレベルがあり、切ると当然出力レベルが変わります。

本来のEffect Return端子は、エフェクトをWet100%、Return Levelでエフェクト量を設定と言うのが定石です。ですから、Podから直差しした場合、信号経路はプリを通って、外部エフェクトを通り、パワーへと流れは変わりませんが、レベルの上下まではPod内でカバーできません。もし過大な信号が流れるとパワーが飛びますし、保護回路があれば遮断され音が出なくなります。

なので、パワーへの信号を一定化するには、切り換え必要なエフェクトはプリアンプの前に持って行く方が安全です。こうして、通常のエフェクターからアンプへの流れで音作りをして、Podの出力をMaster Volumeで固定しておくと良いでしょう。

 

締めくくり

接続に関しては自己責任でお願いします。特に初心者は予想を超えた考えられないつなぎ方をする場合もあります(実際にいるから、どうしようもないんですが)。

やる前に本当に適切かどうかを調べてみることです。そりゃ形は同じ、入出力の方向があっていればできることはできます。しかし何度も言いますが、できるからと言って無知のままやるのは機材を壊しかねません。入出力の信号レベル、インピーダンスが合っているかどうか、接続に見合ったケーブルかどうか、くらいは調べるのも今なら苦労はないでしょう。

複雑な機器こそ、マニュアルをじっくり読まなくては見逃しがちな情報もあります。Q&Aサイトではマニュアル読まないで質問する輩も多いです。しかもマニュアルに書いてあることばかりです。そんなことではいつまでたっても自分のモノにできません。いい音を作るには努力も必要です。